[書評] 有名なビジネス理論をわかりやく『最強の「ビジネス理論」集中講義 』

2011年7月30日
2017年1月25日
gappacker
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「ビジネス理論」集中講義

てっとり早くお得感のあるビジネス理論本

ビジネスにおいてのみでなく、あらゆる状況の現状分析や未来予測、戦略立案においてフレームワークの活用は大変役に立つ。

本書は数あるフレームワークを適時利用しながら
ドラッカーやポーター、コトラー、ブルーオーシャン戦略、そして、イノベーション戦略に至るビジネス理論のエッセンスを体系化し、易しい文体と例を用いて再構築した良書である。

これまで、全くこのようなビジネス理論に触れてこなかった人にも、そして、分厚い本を理解しようと頑張って読んでいた人達にも復習本として薦めたい。

ビジネス理論の本が必ずしも難解である必要はないのだ。

本書の優れている点はその構成にある。
ビジネスにおいてのみならず、多くの理論が、「活用する」という視点が置き去りのまま展開されがちである。

つまり、理論の展開は理解できても、何時、何処で、どのようにして使えばいいかの部分が欠けているため、直ちに実践で活用できないのだ。
しかし、この本はそれぞれの理論を講義という形で順序だて、関連付けることで、状況に応じてどのような理論が有効であり、活用すべきかがイメージしやすい。

おおまかな構成は下記のとおり

1時限目
ドラッカーの理論でビジネスの基本。
企業のビジョンや目標設定など初期段階に重要な部分である。
具体的には「SMARTの法則」、「PEST分析」、「SWOT分析」を用いてコア・コンピタンスを見極め、事業ドメインを策定するまでとなる。

2時限目
ポーターの競争戦略。
事業を始め、収益を得るためにどこで勝負するか?という競争戦略の部分になる。
「ファイブフォース分析」。「バリューチェーン分析」を用い差別化戦略やコストリーダーシップ戦略など自社に適した戦略を判断するまでとなる。

3時限目
コトラーのマーケティング理論。
どのようにして製品やサービスを売って行くか?
顧客、競合、自社を「セグメンテーション」、「ターゲティング」、「ポジショニング」を行い分析し商品やサービスの機能や価格を決定し、「AIDMA」を用いて、どのようにプロモーションをしかけていくかを考える。

4時限目
競争のない市場を開拓していくブルーオーシャン戦略。
あえて競争をするのではなく、競争を超えた無限の市場(ブルー・オーシャン)を目指すために「差別化」と「コストリーダーシップ」を同時に実現し、バリューイノベーションを達成するための戦略と分析方法を考える。

5時限目
持続的な成長を実現するためのイノベーションの追求は不可欠。
プロダクトライフサイクルや製品やサービスの普及のカギとなる「キャズム」についての説明とそれを乗り越えるための戦略となる。

読みやすい本なので、いわゆるビジネスマンだけではなく、
アーティストや自営業者、そして若い人にも読んでいただきたいオススメの一冊である。

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