[書評] ドラッカーの経営理論を抽出した読み物『ドラッカーと会計の話をしよう』

2012年2月2日
2016年7月6日
gappacker
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ドラッカーのエッセンスを一部抽出

ドラッカー × 会計をテーマに、読み物にしているあたりは「もしドラ」の二匹目のドジョウを狙った感が否めません。
著者がメモしてあったドラッカーの書籍の抜粋を再構成してストーリーを組み立てた感じでしょうか。
ですので読み物としての完成度は?ですが、そこは引用元がドラッカー。
経営する上で知っておいたほうが有利だと思える部分がいくつかありました。

ストーリーは経営に苦戦しているレストランの経営者で元銀行員の主人公が
飛行機の中で出逢った紳士との会話を通して経営、そして会計を見直して行くというお話です。
その中で現代の会計システムには欠陥があり、数字に捕われすぎるのは良くないと触れています。

ポイントのみ要約

貸借対照表や損益計算書は会社内部の過去の出来事を数値化したものであり、期間を区切った評価になる為、短期的な利益を求めやすくなってしまいがちである。
大事なのは利益ではなくてキャッシュフローであること。
経営者の使命は会社を潰さないこと。

会社とはコストの塊であり、内部に利益は存在しない。
損益計算書を見てもお金がどのように使われたのかはわからない。
大事なのはお金の使い方をコントロールすること。
短期的な利益の捻出の為に長期的な利益を犠牲にするようなコストカットは行ってはならない。

企業は価値を創り出すことで利益を生み出しているが
価値を生まない活動にもコストがかかっている。
原価計算は材料に価値を付与し、現金に変換するまでの”通しのコスト”から求める。

利益は将来のリスクに備えるための保険
投資資金は貯蓄と稼ぎ(営業キャッシュフロー)の範囲内で行うべき。

読んでみて

読み物にすることで頭に入りやすいということはあるかと思います。
ただし、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書がそれぞれどういうものかというくらいの会計の基礎知識はないと難しいかもしれません。短時間で読め、為になる部分もあるので中々良い本だと思いました。

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