前作に引き続き、優しく知識を盛り込んだ本
前作『100円のコーラを1000円で売る方法』は主人公である宮前久美がライバル企業との競争のなかでマーケティングの考え方を身につけていく内容でした。
[書評] マーケティングをわかりやすくシンプルに学べる本『100円のコーラを1000円で売る方法』
本作では、自社よりも規模の大きいライバル会社に反撃され、状況が悪化している中で、「いかにして過去の成功体験から脱却するか」というのがテーマとなっています。
今回も全10章に別れています
1. コンセンサスの落とし穴
日本のように平等に意見を吸い上げ、同意をとろうとする仕組みの欠陥について言及しています。
2. 弱者の差別化戦力と強者の同質化戦略
弱者がとるべき差別化して追随する戦略と、強者がとるべき差別化を無くすために同質化し、追随させないようにするという戦略について。
3. PDCAサイクルについて
仮説を立ててすばやくPLAN,DO,CHECK,ACTIONのPDCAサイクルを回していくことの重要性について。
4. 網羅思考の罠
すべての問題点に解決しようとするのではなく、重要なものを見極めて、そこに注力することが大事。
5. 仮説思考と論点思考
仮説を立てて、論点を絞り、問題解決にあたることについて。
6. 選択と集中について
リソースの少ない弱者が強者と勝負するためには、適切にリソースの選択と集中を行わなければならない。
7. やらないことを決める差別化戦略
戦略とは何をやらないかを決めるために立てるのだと言うお話。
8. チームづくりについて
ここではメンバー全員で知恵を出し合って勝つチームをつくることの重要性について。
9. トレードオフの見極め方について
何かを得るためには何かを犠牲にしなくてはならず、そこを冷静に分析する必要がある。
10。参入障壁の築き方
差別化を極めることで参入しにくい状況を生み出すことについて。
読んでみての感想
前作同様、良くストーリーのなかにいろんな要素が盛り込んであるなーというのが、率直な感想です。
ランチェスター戦略や仮説思考、PDCAサイクルの回し方など、今回は社内における戦略やチームに関する話など、内部的な話も多い感じの印象でした。
こういう本は読むとすっかりデキる気になってしまうのが、危険なところです。
実際には本書のストーリーのように行うのは、簡単なことではないでしょう。
こういう時はこう考えるべきなんじゃないか、という具合に、発想のトリガーを自分の中に設定するように活用ができると良いかと思いました。前作からストーリーは続いているので、前作を読んで面白いと思った人は、同じテンションで読めると思います。
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