マネタイズ部のゲスト第4弾は株式会社Groodの原口さん
マネタイズ部のゲストスピーカー第4弾は声のお仕事配信サービスvoip!を運営する株式会社GroodのCEOの原口さんにお越し頂きました。
原口さんは第3回のゲストでお越し頂いたdesignclueを運営するパープルカウのCEO柴田さんにご紹介いただいたのですが、同じクラウドソーシングという業態の中で、異なる切り口により生まれる違いはとても気になるところです。
designclueを運営するPurpleCow株式会社の柴田さんを横浜タネマキにお招きして話を伺いました。
ちなみにVoip!のロゴマークはdesignclueで依頼したものだそうです。
Voip!とはどのようなサービスか?
Voip!は文字通り『声』のお仕事配信サービスであり、登録ユーザーに、声を扱う仕事のオーディションを配信します。発注者側はあらかじめ課題セリフを出し、応募者によって投稿されたサンプル音声を選定したうえで、採用であれば正式にお仕事を発注するという声に特化したクラウドソーシングサービスです。
募集案件はソーシャルゲーム内の台詞であったり、モバイルコンテンツや教育アプリなどのナレーションなどが多いそうです。
ちなみにアダルト系のものは扱っていないのと、18歳未満の方は登録できません。
これまでの採用実積として見せたいただいたものには、テレビCMでも流れていて、普段ゲームをあまりやらない僕でさえ、名前を聞いたことのあるゲームの声などもありました。
そして実際にサンプル音声をいくつか聞かせていただいたのですが、アニメの中で実際に使用されていても全く違和感のないほどクオリティの高いものでした。
Voip!は声優を志す人達やナレーターにとって新しい働き方を提供できる
日本国内で声優を志す人は多いものの、都市部に住んでいないと成り立ちにくい業種であり、実際に声のお仕事でお金を得て生活できている人はごく僅かだそうです。
Voip!は登録ユーザーが自ら録音した音声によってオーディションに参加し、正式にオファーが決まれば自ら録音し、Voip側で音量の統一やノイズの除去など音声を調整し、納品されるという仕組みになっています。現在2,000名ほどの声優さんが登録済みで、先月は15万円を超える収入を得た声優さんもいるそうです。
応募者は最低限の録音機材と案件に適した声とその声を操るスキルさえ持っていれば、住んでいるエリアや作業時間に縛られずに声優という仕事で報酬を得ることが可能となります。
例えば地方で子育て中の母親が、家事の合間に自宅で録音して応募といったことも可能であり、仕事のために上京しなければならないなどという地理的制限やスタジオ入りなどの時間的制限から解放されと考えると夢があります。
どうして声のクラウドソーシングなのか?
マネタイズ部では毎回ゲストの方に来て頂いたあと、感じた事などを共有する会も行っているのですが、前回のゲストであるDesignClueの柴田さんに来て頂いた後、ニッチな業界におけるクラウドソーシングの可能性について議論していた中で名前が出てきたのもvoip!でした。そしてクラウドソーシングの中でも声というニッチな分野を狙ったことに関しては個人的に関心がありました。
話を聞くまでは最初からあえてニッチな業界を攻めているのかと思っていましたが、声が重要となるiPhoneアプリを制作している流れの中でその市場の可能性に気付き辿り着いたというのが実際のところのようです。
そんな中で原口さんはクラウドソーシングがうまく行くためには発注側よりも受注側が問題を抱えている状況下にある業界のほうがうまくいくのではないかとおっしゃっていました。確かにvoip!は登録者にとってメリットが大きいですし、それら多くの登録ユーザーがいるからこそ、クラウドソーシングは成り立つ仕組みです。
クラウドソーシングやマッチングビジネスを考えた時にかならずといっていいほど、卵が先か鶏が先かという部分に当たるような気がするのですが、これは一つの解であると感じました。
voip!立ち上げまでの経緯
原口さんはVoyage Groupで働いていたものの1年で退社、インキュベイトファンドの主催するIncubate Camp(http://incubatefund.com/camp/)に参加し、優勝したことを機に、インキュベイトファンドより出資を受けて起業したそうです。
その後すぐにピボットして全国告白白書というiPhoneアプリを制作中に、多くの声優の卵たちと出会い、彼らの置かれた状況などを知りVoip!の立ち上げに至ったそうです。
忙しいと採用している暇はない
失敗談の話のなかで出たことなのですが、原口さんは人員計画について少し安全運転しすぎたかもしれないと言っていました。
資金的なリスクを避けるため、過剰な人員を取ることを避けた結果、人的リソースを集中していれば加速できた機会を逃したのではないかということです。
それと同時に実際に忙しくなって人を取ろうと思ったら、忙しくて採用している暇がないというジレンマもあるのだそうです。今はリスクをとって早めに採用活動を行った方がいいと考えていると話をしていました。
現在、株式会社Groodではエンジニア、非エンジニア両者を採用中でいい人を探しているそうです。興味のある方は応募してみてはいかがでしょうか。
原口さんの印象
一見すると普通の青年といった感じですが、話し始めると頭の中が整理されている地頭の良い人だということがわかります。
いろいろな質問が出る中で、答えにくいような質問にも迷いなく回答していましたが、安易に回答しているのではなく、決められた時間内で最大限に考えて答えを導き出す事に慣れている人であり、同時に業界動向と自社の置かれた状況などを俯瞰的にみて冷静に分析する能力に長けているという印象を受けました。
また、話だけ聞くとトントン拍子にモノゴトが進んでいるに聞こえますし、話を聞いていてもあまり苦労しているようには感じませんでした。これは勝手な推測なのですが、彼は状況が悪い方向に変わる前に、先手先手で仕掛けて動いて来た結果として窮地に立たされていないのではないかという印象を受けました。
まとめ
個人的にアニメやソーシャルゲームにあまり強くないこともあり、voip!というサービス自体はすごくニッチなところを攻めたクラウドソーシングという印象だったのですが、原口さんの考え方やこれまでの経緯などのお話を聞いてみてvoip!の今後がとても楽しみになりました。原口さんは毎日ブログを書かれているので、ぜひチェックしてみてください。
原口さんのブログ
起業・独立のリアル
原口さんオススメの本です。
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