ネットワークビジネスを始める前に考えて欲しいこと。

2012年6月16日 gappacker
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ネットワークビジネスを始める前に考えて欲しいこと
ちょっと小耳に挟んだのだけれど、最近ネットワークビジネスが大流行しているらしい。
しかも最近廃れている某SNSではかなりヒドいようです。
なんで今更?とか思いますが自分なりに考えたことをまとめてみました。

ネットワークビジネスって何?

「ネットワークビジネス」とは何か、知らない人のために一応説明しておきます。
基本的には商品やサービスを店舗や通販で売るのではなく、会員が自分の人脈を使って売っていくというシステムです。
会社によって多少の違いはあるものの、共通のシステムとして会員制であり、会員間に親子関係があり、子会員の売上の一部がインセンティブとして親会員に支払われるのが特徴としてあります。
子会員を増やすことが大幅な収入アップのための試金石となるため、一部で強引な勧誘や催眠商法まがいの行為が行われることもあるようです。アメリカなどでは一部で新しい時代のマーケティング手法と言われてたりもします。

厳密には違うのかも知れませんが、人によっては「ねずみ講」、「マルチ商法」、「MLM(マルチレベルマーケティング)」も同じような意味合いで使っていますので、何となく聞いたことがある人もいるかもしれません。

では、なぜネットワークビジネスが再び流行しだしているのでしょうか?

なぜまたネットワークビジネスが流行りだしたのか?

これにはいくつかの理由がその背景にある気がしています。

1. 不安定な社会情勢
2. 大御所のお墨付き
3. 自由な働き方に対する理想
4. ソーシャルメディア網の整備

1. 不安定な社会情勢

ただでさえユーロ危機で世界経済が不安定な中、震災が起き、原発事故があり、その結果として先行きは不透明のままです。就職活動がうまくいかないことを理由に死を選択してしまった人が1,000人を超えたという報道もありました。
そんな不透明な時代ですからネットワークビジネスが組織や時間に縛られない副業として魅力的にみえてしまうのは無理もないことなのかもしれません。

2. 大御所のお墨付き

「金持ち父さん、貧乏父さん」のベストセラーシリーズで有名になったロバート・キヨサキ氏がネットワークビジネスを肯定しているのも少なからず影響を与えている気がしています。勧誘する際の説得材料として強力ですからね。
確かに彼の本は1冊目の「金持ち父さん、貧乏父さん」と2冊目の「金持ち父さんのキャッシュフロークワドラント」までは必読だと思える程、重要な価値観が述べられていました。
彼の影響力を考えると、彼が肯定することで大丈夫だと思った人もいるのではないかと思うのです。

3. 自由な働き方に対する理想

「ノマド論争」がこれだけ白熱する昨今、働き方やライフスタイルに関する関心が一段と高まっている気がします。
フリーランスとして長い間やってきてた人からしたら、何を今頃騒ぎ出してるんだという感じでしょうが、いろんな場面で過熱している感は否めません。
そもそも、ノマドやフリーランスでやっている人って、努力家で、著しく能力の高い人が、経験を積んでから独立して、そのスタイルになったってパターンが多いと思います。
だから20代前半の若い人が「ノマド」とか言うと、経験を積んだ上で、そのスタイルに辿り着いたノマドの方々が違和感を感じるのは自然なことなんじゃないでしょうか。

まぁ能力や志が高くて、在学中からいろいろやっていて、知るひとぞ知る。みたいな子なら別ですが。。
この辺りを誤解してカフェで仕事っぽくノートいじるライフスタイルに憧れる若者の選択肢のひとつとしてネットワークビジネスが入り込んでいる気がします。

とは言ってもいろんな生き方があっていいと思っています。
ちなみに自分も仕事を辞めたばかりですが、ノマドに憧れたわけではありません。[参照:ボクが仕事を辞めたワケ]

4. ソーシャルネットワーク網の整備

2010年あたりから、それまであまり使っていなかったfaceookの使用頻度が増えだしました。
そして2011年、映画「ソーシャルネットワーク」の公開後は急激に友達申請が増えました。
これを機にTwitterやFacebookがネットワークのプラットフォームとして整備されてきたことを強く実感しました。
ITそのものが社会構造に変化を与え始めた、いわゆるIT革命のまっただ中にいるんだという認識です。
そもそもIT革命と騒がれた2000年前後はサーバーやプロバイダーの普及と発展、そして庶民にPCを行き渡らせるための序章に過ぎなかったのかもしれません。

ソーシャルネットワーク網の整備は新しいWebサービスの普及などにも影響しました。
これにより以前よりも新しい人に会う機会が確実に増えたことがあります。
これは自分だけに限ったことではないのではないでしょうか。
そしてこれをネットワーカーが見逃さないわけはありません。

ネットワークビジネスの基本

1. 過去に出会った人、今後出会う人、全てを金にするチャンスだと思って行動できる?

ネットワークビジネスとはその名の通り、ネットワークを使ってビジネスを行う手法です。
つまり自らのネットワークをお金に変えるか、もしくはお金になるネットワークを新しく構築するのが基本です。
だから、卒業アルバムを使って片っ端から電話したり、どんどん新しい人に会い、新しいネットワークを作ろうとするんですね。
ちなみにネットワークビジネスは恐らく7,8割くらいの人が嫌がると思います。
自分が過去に出会った人の7割が自分から離れていくことを想像してください。
小中高の同級生、過去の職場の繋がり。

えっ、そこは勧誘しないんですか?
そのネットワークは別?
甘いですね。それじゃ成功できませんよ。

僕には無理そうです。

あ、友達いない人はいいかもしれませんね。
社交的で目がギラギラしたお友達がたくさんできます。

キラーフレーズ:
「彼ら(彼女達) にとっても良いものだから、薦めてあげたほうがよくない?」

2. その話、本当にまだ出回ってない?

多かれ少なかれ、ネットワークビジネスには似たような仕組みがあります。
それは会員の中での親子関係のようなものがあり、自分の下に子会員が沢山いるとそれだけ儲けられるという仕組みです。
それならできるだけ上のほうにいたほうがいいですよね?
小学生でもわかります。
だから、「先を急げー!」みたいになるわけです。

大抵この手のシステムはアメリカからやってくるのですが、日本に持って来た数人の人から始まります。
ごく単純なバイナリーという倍々式で考えてみましょう。

1 → 2 → 4 → 16 →256 → 65,536 → 42,949,672 → 1,844,674,324,907,584

あれ?

2012年5月1日現在 総人口(概算値): 1億2761万人

日本の人口越えちゃいましたね。
実際には老人と子供を省いた労働人口から僕のような人間を引いた数ですので、7段目の辺りで、すでに危ういですね。

まさかボケた老人あいてに騙そうとしてないですよね?
これしたら仏の珍士も怒りますよ。プンプン。

えっ?海外に拡める?
あなたは何カ国語できるんですか?
そのシステムを英語で魅力的に説明できるんですね?
それとも、そんな能力の子会員がいるんですか?

というわけで目安として自分の上に5人の親会員がいたら儲けられる可能性はないと思っていいんじゃないでしょうか?
「お金が欲しくてやっているんじゃないです。」って人は別にいいですよ。
でも金持ちになりたいって思ってやっているなら、この辺はちゃんと考えてやって下さいね。

まぁ、3段目あたりまでは始めた人やその周りがいますので、実際は3,4段といったところでしょうか?

そりゃあ、5段目あたりにいる人はベスト16入りを目指して新しい商材を探すでしょう。
そして次から次と新しいのが出て来て、次はやってやるぞって人達が先を競うのもわかる気がします。

うん、僕には無理です。
あなたはどうですか?

キラーフレーズ
「まだ日本では知られてないけど、すぐに来るよ」
「日本未上陸だから早く始めたほうがいいよ」

3. ここはアメリカではなく日本

日本とアメリカの違いというものも少し考えてみましょう。
日本はアメリカの約半分の人口がカリフォルニア州程度の広さの土地に暮らしています。
そしてアメリカ人は西部開拓さながら、今でも大陸を縦横断して生活をやり直したり、環境を変えたりします。

もちろん田舎は違うでしょうが、日本よりも人の移動が多く、村社会的なものが希薄な気がします。
つまり失敗しても環境を変えて再挑戦しやすいような気がするんですよね。

なにが言いたいかというと、ベースとなる感覚が少し異なるんですね。

これは全てのビジネスにおけることですが、なんでもかんでも真似して成功すると思ったら大間違いだと思うのです。
風土とか国民性とかありますよね。

まとめ

ネットワークビジネスが一部で大盛況らしい今、彼らを見ていて感じたことや、思ったことを改めてまとめてみました。
現在勧誘されてる若者がググって、これを見て考え直してくれたらいいですし、それでもやるっていう猛者はやればいいと思います。
人に恨まれない程度にね。

自分も20代前半にネットワークビジネスに誘われ、20人程の飲み会に何度か参加したこともあります。
参加したことのある人はわかると思うけど、あの異様なテンションです。
すでに少しお金を儲けている人を崇め奉り、信仰するかのようなあの空気感。
そして現代の社会システムに対する不満と夢や希望を語るあの会です。

因に自分はネットワークビジネスをやってる人が全て悪だと思っているわけではないです。
その人の人格が素晴らしいと思える人であれば、付き合わないわけではないです。
(今のところそんな人はいないし、あえて付き合いたいとも思わないわけですが。。)

ただ、自分にはこのビジネスモデルは無理ですし、多くの人にとってもそうなんじゃないかと思っています。
そして、ネットワーカー近くにいても、友人など周りの人には紹介しないし、近づけないでしょうね。
これはネットワークビジネスというビジネスモデルの特性上、仕方がないですから。

不確実で不安定な時代に生き方を変えたり、夢を描きたくなる時代。
そんな時代の若者をネットワークビジネスが食い物にしているんだとしたら不健全だと思うのです。

もし、あなたが今、ネットワークビジネスに勧誘されてしているならば聞きたいです。
「本当に覚悟はできてますか?」
「それでもネットワークビジネスやりますか?」


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