[書評] 古くから彼らの手法は新しかった『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』

2013年7月6日
2015年12月5日
gappacker
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グレイトフルデッドにマーケティングを学ぶ

ロックバンドが行っていた革新的なマーケティング手法

少し前に話題になってた本ですが、今さらながら読んでみました。
マーケティングを扱う分厚い本ということで、グレイトフルデッドを知らない人は身構えてしまうかもしれませんが、大きめの文字で平易な文章で書かれているため、とても読みやすい本です。著者はハブスポットの共同創業者でCEOのブライアン・ハリガン氏と、ストラテジストで講演者のデイビッド・ミーアマン・スコットの二人。ハブスポットといえばインバウンドマーケティングというマーケティング手法を提唱する有名な会社です。

グレイトフルデッドって何?

ライトニングボルトスカル

グレイトフルデッドは1960年代にアメリカの西海岸で生まれたロックJamバンドで、一般的な知名度はそれほど高くないものの、一部の熱狂的なファンなどに絶大な人気を博し、その活動手法が当時は非常識でありながら、ソーシャルネットワークが普及した現代に照らし合わせてみると、とても先見性のあるマーケティング手法を行っていたということで近年再注目されています。
僕は昔、アメリカンスタイルのバイクを乗っていたのですが、グレイトフルデッド関連商品はなぜかバイカー系のものを扱うショップには欠かせないアイテムとして存在していました。ですので10代の時からバンド自体の存在は知っていましたが、音楽そのものに触れたのはその数年後でした。

 

インバウンドマーケティングって何?

従来のマスに対して行われてきた手法で、見込み客獲得のために、大量かつ一方的にDMの送付やテレアポなどを行う広告手法を「アウトバウンドマーケティング」と言います。それに対して見込み客が自らが探しているものを見つけやすいように最大限環境を整備したり、望んでいる人に対して情報を発信したりするマーケティング手法をインバウンドマーケティングといいます。英語に抵抗のないひとはHubSpotで検索すれば、大量のドキュメントが見つかると思います。
僕も2011年頃は結構いろいろ読んでた気がしたので調べてみたら2012年の1月に【書評】インバウンド・マーケティングを読んだで少し書いてましたね。

グレイトフルデッドが選択した非常識な手法

グレイドフルデッドが他のバンドと異なる部分は多数ありますがいくつか抜粋してみます。

ライブの録音を許可

グレイトフルデッドはファンにライブの録音を奨励し、他人に売ったり、商業的な目的で使ったりしないという条件で、ファン同士が交換することを容認していました。音源を売る事で利益を得るのではなく、ライブチケットが収益を売り上げるスタイルで活動していたため、音源が出回ることは新たなファンの獲得に繋がるとともに、ファン同士の交流を深めることに繋がってという訳ですね。

データーベース・マーケティングを行っていた

グレイトフルデッドはパソコンのない時代からファンのデータベースをつくり、会報を送ったり、ファンからも手紙などが送られるなど交流を深めた。バンドの近況を伝えたり、ライブのスケジュールを知らせコミュニティをつくっていたというのは今企業のTwitterアカウントがやろうとしていることそのものである。

忠実なファンを大事にする

グレイトフルデッドは会員向けの会報を作り、そこでバンドのツアーのスケジュールなどの知らせを配信していました。また、ファンはチケットの購入をすることができ、優先的によい席が購入できるようにしていました。

まとめ

今になって企業が取り組んでようなマーケティング活動や広報活動に近いものを、グレイトフルデッドは何十年も前から行っていた事がわかります。各チャプターで彼らが行ったことがどのようにプラスに働き、その考え方を今どのように活かすべきなのかについてわかりやすくまとめてある本です。
ビジネス書には抵抗ある方にとって読みやすいマーケティングの本ですね。

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