FujiMock Fesにヒッチハイクで行ってきたよ。帰りのお話。

2012年10月10日
2016年3月30日
gappacker
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イベントが終わり記念撮影を行うと送迎バスが出発する。

行き先は集合場所であった西富士宮駅である。
駅前がどんな感じなのかはわからないが、田貫湖で車を拾うよりは当然拾いやすいだろう。

参加者と雑談をしながら西富士宮駅へ向かう。
15分〜20分くらいかかっただろうか、車が多く、意外と時間がかかった。

バスを降り、参加者の皆さんは駅のほうへ。
僕は駅のターミナルと商店街を見ながら幹線道路のほうへ歩き始める。

前の晩、寝ずに出発していたこともあり、無理して移動はせずにどこかで寝てこうと決めていた。
テントを持ってきていたら田貫湖のキャンプ場泊まっても良かったんだが、今回はテントも食料も持ってきていない。

当初は気が向いたらそのままどこか行こうかとも思っていたのだが、バックパック内の間伐材の重みと、台風が直撃するらしいとのことで断念。
どこかのネットカフェにでも泊まり、朝から動いて台風直撃前に帰ること(見込み)にした。

西富士宮駅のまわりはお世辞にも賑わっているとは言えない。
商店街も活気があるとは言えず、ネットカフェらしきものは見当たらない。

富士駅のほうへ行けば何かあるかもしれない。
そう思い、親指を立てながら富士駅方面を目指す。

なかなか車に停まってもらえないまま辺りが暗くなっていく。
1時間半ほど歩き、富士駅へのショートカットらしき道を選択したところ、真っ暗の裏道で細い道なのに車がどんどん飛ばして行く。

これはミスったなぁ。
そう思いながら5kmほど先にあるネットカフェを目指す。

途中でコンビニがあったので休憩。
少し歩き疲れたのと久しぶりの明るい場所だったので車を拾ってみることにする。

10分程して白いスポーツタイプでフルスモークのベンツが逆方向から飛ばしながら駐車場に入り、Uターンするようにして目の前に停まる。
目の前の左側運転席の窓があき、「どこまで行くの?」とお兄さん。

珍「5kmほど先にネットカフェがあると思うんですけど。」
兄「いいよいいよ、乗って。後ろ子供いるけど。」

そういうと軽やかに降りてきてトランクを開けてくれる。
見た目は夜のお仕事っぽいが下品な感じはなく、キレイ目な襟付きのシャツをきている。

トランクの隙間にバックパックを置き、後部座席に乗り込む。
助手席にはギャルあがりっぽいおねえ系の美人な子が座っていて、後部座席にはかわいらしい男の子が眠そうにしている。

「いやぁ、子供がなかなか寝付かなくて意味もなくプラプラしてたんですよー。あははは。」

明るい人だ。
自分の明るいテンションで半ば強引に周りを明るい雰囲気にしてしまうタイプの人っぽい。

少しだが話してみると、奥さんのほうは賢そうな感じで、考えてから答えてるのがわかる。
お兄さんの笑いにつられて時々つられて笑ってしまっているのがかわいい。

後ろにいた男の子は3歳だそうで、とてもかわいい。

短い時間で深堀りできなさそうなので、仕事はあえて聞かないことにした。
10分ほど走ってネットカフェの前へ到着。
お礼を言って降ろしてもらいトランクから荷物を出す。

運転席に行き、いつもの癖で手を差し出す。
「えへへ、ないけど。w」
と小指のない手を差し出して来る。

あぁ。やっちゃった。^^;
そーですよね。

で、白いベンツは華麗に走り去っていった。

とても人間味溢れる明るく魅力的な人だった。
もう少し話してみたいと思った。

ネットカフェに泊り就寝。
あいかわらず空気は乾燥していて心地よいとは言えないが、寝袋を使用すれば寝る分には問題ない。

8時前だったのでゆっくり12時間パックにすることにした。
シャワーを浴びて漫画を読みながら就寝。

朝、起きるとコーヒだけ飲み、寝袋をたたんで出発の準備。
近くで朝食を食べられる場所がないか聞くと、駅前にあるモスバーガーくらいらしい。

車を拾って帰るには少し遠回りではあったが駅に向かうことに。
10分ちょっと歩いて駅前に着くとあまり人の気配がない。

休日の朝だからだろうか。
モスバーガーもドアは開いているが店内は暗い。
と思ったら開店時間前であった。

当然、ここまで歩いたので交渉する。
なかにいるオバちゃんに声をかける。
「すいませーん。まだダメですかね?」

「はい、あっ、どうぞー。」
と電気をつけてくれる。

交渉もクソもない。
30分前にお店を開けてもらった。

すぐに水を持ってきてくれる。
このオバちゃん、ヤリ手だ。
マニュアルにしばられてるただの若いバイトじゃない。

無理に開けてもらったのでゆっくり注文しようと思ったが、オバちゃんはテキパキと開店準備を進める。
一段落したっぽいところで「注文しても大丈夫ですか?」と聞くと大丈夫とのこと。

そして「朝はセットもありますよ。」と付け加えて来る。
いいなぁ、このオバちゃん。

セットを頼むと、調理開始。
数分後、できたてのハンバーガーとホットドッグとコーヒーをいただく。
オバちゃんのおかげで、気持ちのよいスタートがきれそう。

富士駅から東のほうをめざし後方から来る車に親指を立てながら徒歩移動開始。
40分程歩いた辺りで、通り過ぎた車が少し前でハザードランプを出している。

小走りでかけより助手席側の窓へ。
「どこまで行くんですか?」
「最終的には鎌倉帰りたいんですが1国沿いで降ろしてもらえると助かります。」
「いいですよ。どうぞ。」

乗せてくれたのは、みんなの党の代表、政治家の渡辺喜美似の方。
紫のテロンテロンのシャツに黒のベストを着ている。

軽く自己紹介というか挨拶を済ますと、「おにぎり食べます?廃棄品ですけど。」

珍「あ、コンビニで働いてらっしゃるんですか?」
紫「そうです。仕事がえりです。」

で、さらに話を伺うとあの辺のエリアでは最大級のフィリピンパブで働いていて、その店を閉めたあとコンビニで朝まで働いているんだとか。
珍「大変ですね。」
紫「子供が生まれたばっかりなんで。」
珍「そうなんですね。お子さんはお一人ですか?」
紫「血が繋がってるのはね。」
珍「あ、そうなんですね。」
紫「上に連れ子が二人いるんです。」
珍「じゃあ大変ですよね。出産直後じゃ奥さんも働けないですもんね。」
紫「まぁ、タイ人なんでね。なかなか難しいですよ。」
(この人、どんどん出て来るなー。)

寺尾聡の『ルビーの指輪』が流れるなか、不思議な会話は続いて行く。

紫「僕も昔はいろいろやってたもんで拾ったんですよ。」
珍「そうなんですね、なかなか拾ってもらえなかったんで助かりました。」
紫「そうだね。この辺は流れもんが多いからね。」
珍「そうなんですか?」
紫「ほら、工場が多いでしょ。いろんなところから仕事でやってくるんですよ」

僕が仕事をしていないというと
紫「もし仕事探してたら寄って下さい。」
そういいながら筆記体でお店の名前のプリントが入った使用中のライターを渡される。
紫「この辺じゃ規模の大きいお店なんで。(ニコッ)」

タイムスリップしたような感覚に陥いりながら30分ちょっとほど走ってもらい、大きめの駐車場のあるコンビニで降ろしてもらう。
お礼を言って別れる。子供の頃に見た懐かしい感じの人だった。

コンビニの駐車場でヒッチハイク再開。
片道3車線でスピードが出ているため、難易度は高めだが、他に選択肢がなさそうな場所だ。

30分以上立っていただろうか。
コンビニのほうから人が近づいてくるのがわかった。

僕がその方に気づいたのを悟ると、その人は口元に手を寄せ「ど、こ、ま、で?」と口パクする。
ハナから声を張り上げる気はなかったらしいが、どうやらこちらが気づくのが早すぎたらしい。

申し訳ないので少し駆け寄り、鎌倉に帰りたいので1国沿いで降ろして欲しいという。
「じゃあ、いいですよ。」

彼は道路のメンテナンスを行う会社で働いているらしい。
台風の影響により、道路に問題が起きる前に道路を封鎖したりするため、近くで待機していないと行けないらしい。

待機場所に向かう途中なのだが、台風が来るまでは少し時間があるので乗せてってもいいとのこと。
本当は箱根を越える手前までの予定だったのだが、箱根を越えて小田原の少し先のコンビニまで乗せて行ってくれた。

道路の構造の話や、仕事の受発注、政治や行政との絡みなどいろいろと面白い話を聞けた。

コンビニでは暫くヒッチハイクをしていたのだが途中で雨が降り出し、10分程屋根の下で待機。
思っていたよりも天気が早く崩れそう。

止んだ瞬間に再開するもなかなか拾って貰えない。
1時間以上経って作戦を変更し、1kmほど歩いて移動し、次に見つけたコンビニでヒッチハイクを再開する。

しばらくすると軽ワゴンが戻ってきてくれて話しかけられる。
昔はイケイケだったんじゃないかと思わせるお兄さんとやはり昔はイケイケだったと思わせる”キレイな”お姉さん。

なんでも大工をされているそうで、面白がって拾ってくれ楽しく話せました。
今回のヒッチハイクでは車内が一番盛り上がった気がします。

「鎌倉まで行ってもいいんだけどそれじゃ面白くないだろ?」w
と言いながらも「どこがいいの?」としっかり希望を聞いてくれ(優しい)、目的地から外れた茅ヶ崎の海沿いのコンビニまで乗せてってもらいました。
平塚と茅ヶ崎って橋ひとつだけど全然自分の中で印象が違うんですよね。

よく円で範囲をグラデーションで色分けしてくじゃないですか。
あれでいうと、ちょうど色が変わるところが茅ヶ崎と平塚なんですよね。
茅ヶ崎側に来ると地元意識があるっていうか。

というわけで随分助かりました。
しかも「ビニール傘持ってっていいよ。」と傘をもらいます。
いつまた降り出してもわからない天気です。
お別れをしてヒッチハイクを再開しますが中々停まってもらえません。

そして、ここで本格的に天気が崩れ出します。
風は強まってきて雨も降り出します。

コンビニの軒下にバックパックを置き、道路沿いで傘をさしながらヒッチハイク。
このパターンは初です。

15分程してやばいなぁと思ってたらお兄さんに話しかけられます。
一度通り過ぎて「ヒッチハイク?」と思って返って来てくれたのだとか。

お兄さんは建築の現場監督をされている方でした。
なんでも平塚のほうへバスケをしに行ってた帰りらしい。

登山も好きらしく、いろいろと話をしながらなんと家の近所のコンビニまで送ってくれることに。
いやぁ、助かりました。

というわけで台風が直撃する寸前に家に帰り着くことができました。
めでたしめでたし。

ヒッチハイクマニュアル

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