日本初のファブラボのひとつ、『Fablab Tsukuba』を訪問してきた。

2014年5月16日
2017年1月25日
gappacker
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Fablab Tsukubaに行って来た

個人のものづくりを支えるスペースとして世界中にあるFablab。
日本でも徐々に増え続けているのですが、日本で最初にできたファブラボが鎌倉と、そして今回訪問させていただいたつくばとなります。

ファブラボつくばを運営されている株式会社SUSUBOXのすすさんとは、横浜で行われたfablabのイベントである『Fab9』のパーティーの時に話し、そのうち遊びに行かせて下さいと伝えていたのですが、今回、東北の旅に合わせ、帰り道に立ち寄らせていただきました。

外観からは想像できないギークのための秘密基地

つくば大の近くのファブラボということと、内部の写真をから最新の研究施設みたいな場所にあると思っていたのですが、地図を見て辿り着いた時には、ホントにこんなところにFablabがあるのかと思えるかのような場所でした。

ホントにここか?
ファブラボつくば

住所を確認し中に入っそれっぽいものがある。
ファブラボつくば

中に入ると別空間が広がっていて、完成度の高いギークの秘密基地といった印象です。
ファブラボつくば

大学の研究生がなにやら作業しています。
ファブラボつくば

前身となるFPGAカフェ

ファブラボつくばは、つくば大発のベンチャーである株式会社SUSUBOXが運営していて、前身となるのがFPGAという集積回路のためのアンテナショップ兼カフェのような場所であり、Fablabと名乗る前からかなりファブラボに近い素地を兼ね備えていたようです。
ファブラボつくば看板

毎週日曜日は無償利用解放日

ファブラボつくばでは毎週日曜日の13:00〜20:00は無償でデジタルファブリーケーション機器を利用できる解放日として設けられています。

無償利用で制作したデータは原則公開

無償で利用する場合は下記のボードのルールに沿って使用することになっています。
ファブラボつくばご利用にあたって

データを公開できないなど、自由に利用したい場合は時間単位で利用することも可能だそうです。
(※機材や時間などについては要確認)

SUSUBOXの業務

ファブラボつくばを運営している株式会社SUSUBOXは小ロットでの電子回路の試作品などを制作しているため、それらの機材も豊富に揃っています。

基盤を削りだす機械で
基盤を削りだし

このような板を作り出し
電子基板

電子回路に載るチップを配置していきます。
電子回路のチップを配置

このリールに多数のチップが載っています。
ひと巻き数万円とかするそうです。
電子チップのリール

さらに手作業では無理なハンダづけを行うため、こちらの機械でハンダを溶かすそうです。
ハンダを溶かす機械

もう完全に小さい工場です。

ファブラボつくばの印象と感想

ファブラボつくばを訪問して受けた印象は、空間として熟成しているということでした。ただ借り物の空間にデジタルファブリケーション機器が置いてあるのではなく、試行錯誤を繰り返した年月によって、空間が何度もアップデートされ、あるべきものが、あるべき場所にある。そんな空間だと入った瞬間に感じました。
一見、雑然としているようで、使いこなされた空間というのは一朝一夕でできるものではなく、挑戦や失敗を繰り返し、改善をおこなってきた結果としてでしか生まれない空間だと思います。
そして、これは新しいファブラボにはまだまだ出きていない部分だと思いました。

ファブラボつくばの場合、ファブラボをやろうとして始めたのではなく、すすさんというセンスのいいギークが日頃から業務で使用し、自身の使いやすいように直ちにアップデートしている空間の一部をファブラボとして解放している。そういう意味では、他のファブラボとは環境が異なるのですが、多くの人が関わる他のファブラボでも、明確な禁止事項を設定したうえで失敗を推奨し、それらを改善しアップデートする仕組みづくりさえできれば、ものが生み出されるための、熟成した空間を生み出すことは不可能ではない気がしました。

最後に。
面白い空間を見せていただき、いろいろな話を聞かせていただいたすすさんに感謝します。

Fablab Tsukuba

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