WordBenchにWordPressの創始者のあの人が来た。

2014年6月7日 gappacker
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東京にあの人が来た。

2014年6月6日、WordBench TokyoにWordPressの創始者であるMatt Mullenweg(マット・マレンウェッグ、以降:マッちゃん)が来ました。世界でもっとも使われているブログを開発した人ですね。リビングレジェンドです。
そんな彼を僕はあえて、マッちゃんと呼ぶ事にしました。(苦情は受け付けません。)

あいにくの土砂降りの中、会場であるベルサール新宿へ。
WordBenchTokyo2014

WordPressが生まれるまで

当時のマッちゃん

テキサスにいた頃のマッちゃんは全然勉強をしない音楽好きなギークだったそうで、当時はWebを作ったり、Palm Pilotのユーザーグループみたいなものをやっていたらしい。

当時、Expression(Microsoftのオーサリングソフト)や、DreamWeaverを使用していたけど遅かった。そこでb2というものを使いだし、それをベースにスクラッチで作ったのがWordPressだそう。
マッちゃんはソフトウェアには自由が必要だと考えていて、そのためGPLにしたみたい。

b2を使って写真を公開していたが、コントリビュートしたパッチが採用され、世界中の人に使われることに興奮。しかし、b2は徐々に廃れてしまい、誰もメンテナンスしなくなったためブログを始めた。

MovableTypeの拡張性、bloggerの簡単さ、b2のハッカビリティを組み合わせたものが良いとブログに書いたのが11年前。

WordPressの思想

Code is Poetry
美しくなければならない。
俳句も好きで、リリースの度に俳句を書いているらしい。

ジャズミュージシャンをフィーチャー
2.0以降のリリースは全てジャズミュージシャンの名前がコードネームになっている。

ブログは成熟していて伸びる余地がないと言われたが、みんなが熱意を注げるブログプラットフォームを作った。
大事なのはプラグインシステムを導入したこと。
これにより、軽快、簡単でありながら、拡張性に優れるものになった。

翻訳について

翻訳は日本から始まった

オツカレサン(?)というユーザーが何千行にもわたるコードを手動で翻訳してくれた。
イカれたやつだと思ったが、この事がきっかけで翻訳のフレームワークが必要だと気づき、コードの編集なしに翻訳できるようにした。

WordPressには大きなマイルストーンがあったが今は3つ目にいる。

ブログシステムではなくCMSとしても簡単に使えるようになっている。

次のフェーズとしてはアプリケーションプラットフォームになることで、APIなどを使ってモバイルアプリケーションが簡単につくれるようにする。

5年前に日本に来たときはCMSと使っている人は5%くらいだった。
「今はどう?」(会場によびかけ、多くの手が挙がる)
「みんなだよね?」

「アプリケーションプラットフォームとして使ってる人は?」
(数人の手が挙がる)
「CMSの時と一緒で、2019に来たら、これも増えているんじゃないかな」

Automattic社の設立

2005年、急激にユーザー数が増え、ユーザー数に見合った運営のために会社を設立することにした。
営利目的じゃない人や団体はすごいことができる。
Automatticはコミュニティを支え、利益を追求しない。
当初はスパム除去のためのプラグイン『Akismet』の開発に注力した。

会社組織にはOSSプロダクトを作る上で学んだことを適用している。
OSSでは人々が自ら動き(Automatic)、成果を上げる。
最初はそんなやり方じゃうまくいかないと言われたが、一方で、お前なら出来ると言う声が励みになった。

コミュニティについて

WordPressコミュニティはどんどん大きくなっていった。
ほとんどのソフトウェアは10年後存在しない。
でもWordPressにはコミュニティがあるため、そうはならないのではないかと思ってる。

今後の展開

今はモバイルに注力していて、API中心に拡張していく。
以前より人々はモバイルで繋がっている。
Automattic社はオープンであり続けることで競合と差をつけていく。
オープンソースはすべての産業に適用されていくはず。
Webはオープンでフリーだからこそうまくいく。

WordPressのミッション

Publishing Democracy
地理や言語など、おかれた環境による格差をなくす。
(※ 情報発信の民主化という意味だと思う。)

WordPressについて

次のバージョンは4.0
WordPressが英語圏以外でも人気があるのは多言語で利用できるから。
しかし、プラグインはローカライズできていないものが多い。
そのため4.0ではランゲージパックという機能をリリースする。
プラグインから言語リソースを分離することで、プラグインディレクトリを確認した時に設定した言語で表示されるようになる。

うまくいけば、よりWordPressが普及する。
「次に来るときは、はスタジアム借りなきゃいけないかもね。w」

コミュニティの大切さ

WordPressは模倣が簡単。
しかし、コミュニティは簡単に構築できないし、熱意は模倣できない。
コミュニティこそがWordPressが競合ソフトと差をつけている理由。
競合は広告費に2.5億費やしているが、WordPressはコミュニティがあるため、そんな必要がない。
みなさんの協力に感謝しています。

今後の展開

  • シンガポールと香港にデータセンターを設立する
  • アジア圏での採用を増やす

イベントに参加してみて

今回は普段のWordBenchより大きな会場で行われた特別バージョンといった感じでした。
たぶんマッちゃんが日本に来ること自体、そんなにないと思うので、本当に参加して良かったです。
今後ますます普及するであろうWordPressにおいて、アジア地域におけるターニングポイントになるのかもしれませんね。
今回ノベルティとしてサングラスを貰ったのですが、これもなかなか良かったです。
ノベルティのサングラス

今回の記事は自分のメモと同時翻訳されたサムライズムの山本さん(@yusuke)のドキュメントを基に書きました。
同時翻訳お疲れさまでした。

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