スキマ時間を販売しよう
CoffeeMeetingやFriendTossを運営する株式会社レレレは、新サービス『TIME TICKET』を本日(2014年7月1日)ローンチした。
TIME TICKET(タイムチケット)は自分の時間に対して、「○○します。」などと価格を設定して販売し、購入者がいる場合は、売上の一部がNPOに寄付されるというもの。
寄付について
寄付する先のNPOはあらかじめ選択しておき(管理画面から変更可能)、寄付率の設定に関しては出品時毎に10%〜100%まで選択することが可能である。
なお、寄付金に関しては、毎月月末にその月の寄付金額が株式会社レレレから各寄付先に振り込まれる。
現在の寄付先
サービスローンチ時(2014年7月1日)の支援先登録団体数は9団体。
子供/教育支援、環境/森づくり、教育/人財育成、医療/情報発信、難民支援、人権保護と多岐に渡る。
TIME TICKETについての印象
まだ出品しただけで、想像でしかないが、もしこのサービスが普及してサービス提供者と購入者のマッチングがコンスタントに行われるようであれば、気楽にできる新しいカタチの社会貢献モデルになる可能性は高い。
例えば、ファッションに詳しい大学生が「ショッピングに付き合います。」という商品を1時間あたり2千円で出品し、20%の寄付率を設定したとする。
すると、2時間の買い物に付き合えば、学生は3200円を、応援するNPOに800円を寄付することが可能になり、バイトと社会貢献が同時にできることになる。
他にも、時給換算で数万円の専門家が、週末のボランティア活動として、1時間10,000円のサービスを寄付率100%で販売すれば、それだけでNPOに10,000円で寄付されるのである。
追記:こちら認識が間違っていましたが、販売価格から手数料の30%の引かれた後の額から寄付額が割合分が寄付され、残りが出品者の手取額となります。
最低出品価格は1,000円、最低寄付率は10%のため、一つの取引が成立する度に、最低でも100円がいずれかのNPOに支払われることになる。
寄付率が表示されていることや、社会貢献を重視する人の存在を加味すると、平均額はもっと高くなると考えるのが自然だろう。
あとは、どれだけの数の取引が成立するかである。
仮に月間1000件の取引が成立すると、最低でも100,000円は寄付されることになる。
毎月、NPOに数十万円単位で寄付できるのであれば、なかなかのインパクトであると思う。
課題となりそうなところ
マネタイズについて
サービスとなるとやはり気になってしまうのがマネタイズ面のことである。
ユーザーの出品がないとサービスが成り立たないことを考えると、NPOに寄付する額のマージンを取るというカタチが最も自然だと思う。
そうなると注意すべきは、資金の流れに対する透明性になるだろう。
手数料として取るマージンは適切でなければいけないし、寄付したと思っていた金額が運営社に搾り取られたという印象を持たれることだけは絶対に避けなければならない。この辺りのハンドリングは、なかなか難しいかもしれない。
寄付先NPOの新規受け入れと、その審査
コンスタントに取引が成立して、実際にNPOに寄付が行われるようになった時点で、あらたなNPOが支援を求めてやってくるであろう。立ち上げから何年も経っている実積のあるNPOであれば、少なくとも団体が持続できる仕組みを持っているだろうが、資金面で苦しんでるあまり実積のないNPOはどうするのか?新たに寄付をする先に加えるかどうかの審査基準はなかなか難しくなりそうである。
最後に
TIME TICKET(タイムチケット)は単純に考えれば、スキルのマーケットに社会貢献的な要素を加えたものである。
何かを購入した時に、売上の一部が寄付されるものはこれまでも沢山あった。しかし、個人間のサービスやスキルのマーケットに寄付モデルが付いたものは、ありそうでなかったものなのかもしれない。寄付文化が根付いていない日本で、どれだけサービスを広めることができるのか、興味深く見守っていきたいサービスである。
追記:
2014/7/29 チケット代金の30%が売買成立後、サービス手数料として差し引かれ、その後指定したパーセント分がNPOに寄付されるようです。
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