[書評] 現代を生きる知の巨人達へのインタビュー集「知の逆転」

2013年12月19日
2016年2月15日
gappacker
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久しぶりに真面目な本(?)を読みました。
著者はサイエンスライターの吉成真由美さんという方。

初めて名前を知ったのですが、この面子にインタビューできるだけで何者だよ?って感じなんですが、すごいですよね。
そう言いつつも実はジャレド・ダイアモンドとノーム・チョムスキー以外の人は「誰だっけ?」というレベルだったのですが、読んでみたら面白くてすぐに読み終えてしまいました。

いやー、世の中には頭のいい人達がいるもので、それぞれの専門分野について研究しているわけですよ。

インタビューされている現代の知性たち

ジャレド・ダイアモンド

『銃・病原菌・鉄』で西欧的なものとは異なる形で人類史を読み解こうとして、ピューリッツァー賞を受賞。僕は未読ですが、最近では文明崩壊も話題になってる人ですね。

ノーム・チョムスキー

アメリカ人として一貫して帝国主義に異論を唱え、アメリカ国民の大多数がイラク戦争を肯定していた時ですら、冷静に反戦を訴えていた数少ない知識人という印象です。

オリバー・サックス

誰だっけ?と思ったら映画『レナードの朝』の原作者である医師で、脳神経科医として精神疾患病を患っている患者に寄り添い、その症状などを深く分析している人でした。

マービン・ミンスキー

人工知能の父と呼ばれている方で、AI研究の専門家だそうです。
彼に言わせるとロボット研究は人間のマネをさせ、それらしく見えるという事に夢中になってしまい、それほど進んでいないとのこと。
この辺に関しては長期的な研究がしにくくなっているという研究者の置かれた状況についても苦言を呈しています。

トム・レイトン

まったく知らなかったのですがアカマイ・テクノロジーという会社のチーフ・サイエンティストであり、取締役でもあるMITの応用数学科の教授だそうです。この会社は誰も知らないインターネット上最大の会社だそうで、インターネットを使用した事がある人間であればほぼ確実に利用している会社みたいです。アカマイはネットワークや分散アルゴリズムを活かしたネットワークの会社なのですが、グーグルやヤフーを含む、ほぼ全てのポータルサイトが顧客だそうです。会社を起こすに至った話など大変面白かったです。

ジェームズ・ワトソン

『二重らせん』の著者でもあり、DNAの構造を解明した分子生物学者。

読み終えての感想

断片的とはいえ、基礎知識があったのはジャレド・ダイアモンドとノーム・チョムスキー、ジェームス・ワトソンだけだったので、正直、難しいかと思い読み進めました。しかし、インタビューの質問自体にその質問の意図と背景がきちんと触れられているため、置いてきぼりにされることなく、現代最高峰の知性に触れる事ができるため、思いのほかすんなり読めました。

それにしても研究者や学者の人達は、生きながらに視点というか思考の居場所が1つ上のレイヤー上(もしくは1つ下のレイヤー上)にある感じがしますね。その分野の研究に没頭して生きるなかで、世俗的なものに接しなければならない時のバランスの取り方とか、その行き来をする中で疲弊してしまわないのかと余計な心配というか、興味が湧いてきます。
「こうじゃなきゃダメだ」とか「こうあるべきだ」とか単純な思考回路で、自分の視点が凝り固まらないように、こういう本を定期的に読むのも大事ですね。大変興味深い本でした。

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