[書評] 難しいけど、面白すぎて脳がよじれる『理性の限界』

2014年4月8日
2016年1月16日
gappacker
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知的好奇心が溢れてる人にオススメ

難しく理解しきれてない部分も多いものの、それでも知的好奇心を満たすには充分すぎる内容の濃い本でした。

自分が『知らないのだと知らなかった事』を『知らないのだと知ってる事』に変えてくれる類いの本で、この手の本は 自分の無知さを思い知るためにも定期的に手に取りたいものです。

科学や物理、政治、哲学、宗教、思想など、ありとあらゆる様々な分野から、それらの理論やスタンスを代表する人達が、各章のテーマについて議論するように進んでいきます。

テレビ朝日で毎月最終金曜日の深夜にやっている討論番組、『朝まで生テレビ』はご存知かと思います。
あの番組の中で、稀にパネラーの組み合わせが上手くいき、観ていて興奮するほど充実した回があるのですが、あれを文字起こしした感じと言えばイメージしやすいかもしれません。

本書の構成と内容

第一章は選択の限界について

民主主義やそれを体現するために取られているあらゆる選挙制度の盲点やその制度自体が不完全であるという説明と、その制度の限界について熱い議論?が繰り広げられていて、民主主義の権利を行使する制度ですら、構造に欠陥を含んでいて、不完全だという事がよくわかります。
実際の選挙でも組織票があったり、票が割れて第三陣営が漁父の利を得たりということはよくありますが、その辺の仕組みというか構造が少し見えてくる気がして、選挙対策本部とかってこういう構造のなかで勝つための計算をする場所だったりするんだろうなぁ、と考えると少し萎えます。

他にも合理的選択の限界と可能性というところででてくる「囚人のジレンマ」やナッシュ均衡などは最近ハマっているボードゲームに通じるところがあって大変面白かったです。自分が勝つためにとっていた戦略がミニマックス理論という考え方であることも書いてありました。
囚人のジレンマとは2人の隔離された囚人がお互いに黙秘を続ければ一年の刑期で二人とも出所するのですが、相棒が裏切った場合は裏切ったほうは無罪放免、裏切られた方は十年の刑期となる。というものです。
この囚人のジレンマのモデルで様々なプログラムを200回繰り返し対戦させるコンピューターテストを行った時に、一番好成績を上げたのがTFT(ティット・フォー・タット)戦略という裏切られるまでは協調路線、裏切られたら裏切りかえすというプログラムが一番勝率が良かったそうです。

僕は偶然にも数年前に別の本でこのテストのことを知っていたので、それ以来、実は一般生活でも実践しているんですね。
基本的にノーガードで友好的に行くけど、敵視するならこちらも敵視しますよって感じで、目には目を歯には歯を。ってやつですね。
実際にそのように過ごしていると、意味もなく、無駄に敵対視してくる人がいて、そんな時は「僕のことは見方につけておいたほうがたぶん、お得だと思うんですけどねー」と思いながら敵に回る訳です。

まぁ僕は基本的には一匹狼的な資質があるので、先導して集団で襲いかかってくるような人達には勝てないんですけどね。
それと実際には無意識の不義理や裏切り行為が一番対応難しいんですけどね。

と、話がそれましたが、そんな小難しいけど考えることが好きな人にはたまらない要素が盛り沢山なわけです。
考えるのが苦手な人には向かないと思いますけどね。

第二章は科学の限界、第三章は知識の限界となっていて問答のような難解な内容を例えを用いて説明していて、パラダイムについてやパラドックスなど自分が定義自体を理解できているのか理解できていないのか、理解できているつもりになっているだけなのか、みたいな面白小難しい話が始まります。

正しいと思われていたことが、間違っていたりなんてことは歴史上よくあることでしょうけども、天動説と地動説の移り変わりを例にしてパラダイムの転換が説明されています。

まとめ

なんか書評として全然まとまってないんですが、内容盛り沢山すぎてまとめようがないというか、もう自称知的好奇心盛り沢山です。って人はとりあえず読んでください。僕は興奮しましたが、アナタはあくびするかもしれません。そんな本です。
なお、この本の中にある専門的な話を投げかけられてもまともに答えられないと思いますのでご勘弁ください。
読んだ人は一緒に無知を嘆き、笑いましょう。

ザックリと出てくるキーワードを羅列してみますので、興味がある方は調べてみてもいいかと思います。
ナッシュ均衡、ゲーム理論、ゲーデルの不完全性、アローの不可能性定理、囚人のジレンマ、抜き打ちテストのパラドックス、ハイゼンベルクの不確定性原理

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