鎌倉から北鎌倉方面へ抜ける亀ヶ谷坂(かめがやつざか)切通し
鎌倉は南を海に東西北を山に囲まれた地形になるため、昔の人たちが鎌倉に出入りするために山を切り開いた交通路があります。それらは鎌倉七口(かまくらななくち)と呼ばれています。
鎌倉七口
今回紹介するのは亀ヶ谷坂切通しです。
鎌倉中心部西側から北鎌倉へ山を突き抜けるルートです。
切通しと言われるだけあって、山を切り開いてはいるものの、道路が綺麗に舗装されているため、他の切通しのような趣はありません。車止めがあり車両は通れませんが、地元民には建長寺や八幡宮の渋滞を避け、鎌倉駅方面に向かうためのショートカットとして知られています。
名前の由来は、亀がひっくり返るほどの急坂だったとどこかに書いてあったような気がしますが、実際いうほど急坂でもありません。
場所はこちら。
鎌倉駅方面から薬王寺そばの道をそのまま奥に進んでいきます。
途中に車止めがあり、車両は侵入できません。
国指定史跡『亀ヶ谷坂』案内板
この道は、扇ガ谷と山ノ内とを結ぶ、亀ヶ谷坂と呼ばれる切通しです。切通とは山を切り開いて造られた道のことで、交通を容易にするとともに、防御の拠点ともなっていました。
亀ヶ谷坂が造られた正確な時期はわかりませんが、13世紀の中ごろには切通として整備されていたようです。『吾妻鏡』によれば、幕府が鎌倉市中の7箇所の商業区域の1つとして「亀谷辻」を指定しており、建長寺や円覚寺など大寺院が建立された山ノ内と、鎌倉市中を結ぶ亀ヶ谷坂は、経済的にも、軍事的にも、重要な場所だったことがわかります。
江戸時代には「鎌倉七口」の1つに数えられるようになり、現在も生活道路として利用されています。
少し登ってから車止めのある辺りを振り返ったところです。
この辺の岸壁を見ると山を切り開いたのがよくわかりますね。
緩やかな上り坂の終わりがてっぺんです。
それを超えると緩やかな下し坂があり、左側の岸壁に地蔵菩薩がいらっしゃいます。
さらに進むと左側が長寿寺。
門が開いていたので写真を一枚。(関係者以外立ち入り禁止です。)
長寿寺側から見た亀ヶ谷坂切通し入り口です。
緩やかな坂道。
まとめ
亀ヶ谷坂はバイクや自転車、徒歩での抜け道として利用されていて、僕も度々通っていますが、歩いて通過するのは久しぶりでした。
舗装されてしまっているため、一見重要な場所のように思えないかもしれませんが、地図や地形と照らしあわせながら亀ヶ谷坂を見るといかに重要であったかがわかります。
あまり日が当たらないため、夏に通るとヒンヤリとした空気が気持ち良いスポットでもあります。
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