翌朝になって初めて聞いた声がジュンキの「やべー」だった。(気がする。)
昨日の夜オジサンと飛び込みスポットに連れていってもらうという約束をしていたのに寝坊したらしい。
ショータは朝のフェリーで屋久島を立つ。
というわけでその前にみんなで朝食を食べにいくことにする。
観光センターに併設された、テーブルとテーブルの間がやたら広くとられている都心では考えられないレイアウトのレストランに入る。
モーニングセットを頼む。
さらにまだ食べていなかったトビウオの唐揚げ。
「ちっさ」と言われた。
どうやら前の日に食べたものと比べると随分と小ぶりだったらしい。
まぁいいわ。w
朝食を食べ終わると同じ観光センター内の土産物コーナーを物色。
あまりにゆっくりしていたらショータのフェリーの時間が迫っていて、ジュンキが借りていたレンタカーでショータをフェリー乗り場まで送って行くことに。
ゆっくりと別れを惜しむ感じでもないにしろ、ドタバタの分かれとなってしまった。
また会おう。
ジュンキが帰ってくると一度宿に戻り、僕とジュンキは荷物をまとめ、ジュンキの借りていたレンタカーに荷物を乗せる。
僕とジュンキは13:30のフェリーで屋久島を立つ。
カズマはバイクを借りて屋久島を1周する予定らしい。
3人で車を走らせ、バイクレンタル屋に向かう。
一真はオフロードバイクを借りて車の後を付いて来る。
向かうは千尋滝。屋久島南東に位置するモッチョム岳の入り口近くから見える滝である。
もう1カ所別の滝を見ようかと言っていたがフェリーに乗る前にジュンキの借りていたレンタカーを返すには時間的に厳しいとのこと。
路上でバイクにまたがったままのカズマとお別れし、僕らはフェリー乗り場方面に戻る。
またもや別れ。
レンタカーを返却し、レンタカー屋さんの車でフェリー乗り場まで送ってもらう。
3泊しかしていないから当然なんだけど、あっという間の屋久島旅行だった。
フェリーに乗り込むと、行きよりも混んでいる。
ジュンキは行きは高速船だったらしく、船の違いを楽しんでる。
船内ではジュンキと話したりゴロゴロしたりして過ごす。
何を話したがあまり覚えていないけど、笑いは取れなかった気がする。
鹿児島のフェリーターミナルに17:30に着いた時は雨。
今日はこれから熊本辺りまでなんとか行きたいと思っているので少しばかり不安ではある。
ジュンキと近くコンビニからお土産を発送する。
お茶でもしようということで、俺が車を拾いやすそうでかつ駅から近い場所を探して歩く。
しかし、商店街を避けた幹線道路沿いにはほとんどお店がない。。
で、結局駅前まで行き、ミスドに入ることにした。
「僕、ご馳走しますよ。」
途中で言われて意味がわからないと思ったが、ジュンキに言わせると、初めての一人旅でいろんな人に会い、その最後が自分だったのだ。
旅の感謝が僕に乗っかった感じなんだろうか。
やんわり断ったが、それでは気が済まないといった感じだったのでドーナツを3つご馳走になった。
ジュンキ、ありがとう。ご馳走さまでした。
30分かそれくらい話して過ごしたと思う。
ジュンキは今回の一人旅で沢山のいい出会いをし、それに感動し、そして別れを惜しんでいた。
いいヤツだなぁ。バファリン。w
泣いちゃいそうと言うジュンキと大げさにならない用に別れた。
旅には出会いと別れがつきものなんだよね。
しかし、屋久島のふれんど、フザけた名前という理由で選んだけど、たった一日とは言え、いい出会いだった。
俺は屋久島での出来事を思い返しながら、幹線道路沿いのヒッチハイクポイントを求めて徒歩移動開始する。
すこし遅めだが、19時にはヒッチハイクを開始できるだろう。
いつものように親指を立てた右腕を、後方から来る車に対して突き出して歩く。
途中、何カ所か良さげなポイントで待つものの車が止まる気配はない。
するとチャリンコでオタクっぽい小太りな男が現れた。
小デブ「どこ行くんですか?」
珍「北に行きたいんですが、熊本辺りまでは行きたいですね。」
小デブ「ここだと無理だと思いますよ。」
珍「何でですか?」
小デブ「ゴニョゴニョ」
でたぁーーー!
この旅初の「出来ない君。」
大して理由ないのに出来ないことが前提でアドバイスも何もない。
それなのに他人に関与したがるという困ったちゃん。
自分的には一発レッドです。
Yahoo知恵袋とかにも良くいるじゃないですか。
Q ○○をしたいのですが、××の方法を教えてもらえませんか?
A 無理なので止めたほうがいいですよ。
アホか!答えになってないんじゃボケぇ。
と言いたくなります。
回答にそれを行うことが難しいという技術的な理由や考察があればいいんですが、大抵の場合、何もないんですよね。
多分その人にはできないんですが、その基準を全世界に適用しようとするという圧倒的な想像力の欠如。
一応なんで無理だと思うのかという根拠と別の可能性について聞いたものの何も出てきません。
というわけでさっさと追い払うことにします。
「ここまでヒッチハイクで来てるんで大丈夫だと思います。」
視線を道路に戻し、彼と話す意思はないことを明確に表示します。
すると小デブちゃんは大人しく去って行きます。
負け癖が付くような気がしたので、少しひらけた車から自分を見えやすい位置に移動します。
ここでオジイちゃんに話しかけられます。
このオジイちゃん、多分ただヒマなだけだと思うんだけど、別に嫌じゃないので少し立ち話します。
で、話していたら一台の車が止まる。
ベテランB-Boyって感じの人。
B「何処行くんですか?」
珍「熊本方面行きたいので、北のほうへ行ければ」
B「川内までならいいですよ」
珍「お願いします。」
オジイちゃんに別れを言って車に乗り込む。
乗せていただいたのは原子力プラントで働いていて、震災があってから地元に戻り漁師を始めたという方でした。
ブレイクダンスもやっているそうで、車にはスケボーも乗っている。
この方、現在漁師修行中とのことで親方の船に乗り込み、チリメンジャコ漁をしているそうです。
船の値段は土地なしの家くらいで、やはりエンジンの値段が一番高いこと、魚群探知機にもさまざまな価格帯のものがあること。
漁師さんというのお金の流れなどいろいろとお話を聞かせていただきました。
漁師さんの話は聞いたことがなかったので、大変面白い。
こういうのがあるから止められないんだよなぁと思っていたらおおきな駐車場のある川内のコンビニに到着。
B「ここがいいと思うんですけど大丈夫ですか?」
周りは真っ暗でコンビニと並んでいる24時間のコインランドリー以外は何も無い。
珍「大丈夫だと思います。ありがとうございます。」
そういって別れる。
正直、漁師さんの話はもっと聞きたかった。
で、ここからが大変、平日の夜中で車通りも少ない。
2時間はいたと思う。
コインランドリーの中で寝袋ひろげて寝ちゃおうかな。
そう思っていた頃に一台のトラックがコンビニを30m通過したくらいの場所でハザードランプ付けて停車した。
(あれ、停まってくれたんだよな?)
そう思いながら僕はバックパックを素早く担ぎ、小走りでトラックに近寄っていった。
続く。
屋久島ヒッチハイク記九日目。トラックの荷下ろし手伝い、宮島へ。
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