久しぶりの映画
しばらく映画見てなかったので久しぶりに映画を観ました。
見たのは近未来で起きるかもしれない技術革新を扱ったSFサスペンス『トランセンデンス』。
あらすじ
PINNという人工知能の開発研究をする科学者ウィルは、反テクノロジーを掲げる過激派RIFTに襲撃され、銃弾に仕込まれた毒物によって余命5ヶ月と宣告されてしまう。同じく研究者の妻エブリンは彼の頭脳と意識を「PINN」へアップロードすることにする。
ネットワークに繋がったウィルの頭脳は拡張を続け、自体は思わぬ方向へ進んでいく。
予告編はこちら
映画を観た感想
技術が進歩しすぎた結果、間違った方向へ暴走していってしまうという割とベタな展開の映画。監督はクリストファーノーランの元でカメラ撮影監督を務めていたウォーリー・フィスター。ジョニーデップ主演でモーガンフリーマンも出てて、クリストファー・ノーランが製作総指揮っていったらそりゃあ見ますよね。
でもって観てガッカリ。観たかったのはこれじゃない。
なんかピンとこなかった理由を考えてみると、映画全体を通して人間の描き方が薄っぺらい。ストーリー上、ジョニーデップ演じるウィルはコンピューターにアップロードされる前提なので、敢えてそうしてる部分はあるのかもしれないけど、それにしても全般的に葛藤とか人間らしさという部分が十分に描けてない気がする。反テクノロジーを訴える過激派RIFTの思想面も描けてないし、若い女性が何故ボスになりえたのか、その能力やカリスマ性なんかの描写もなくて説明不足な感じは否めない。
人間味が足りなさすぎて、共感したり感情移入ができないまま、話はどんどん展開していき、状況だけが変わっていく。
さらに話が株や経済の話になったり政府が絡んできてグローバルな展開を見せるのかと思いきや、片田舎の渇いた土地での、広大かつクローズドな場所での攻防戦。渇いた土地にさんさんと降り注ぐ太陽と、地下空間に広がる無機質で冷たいなデジタルな空間。みたいな対比が撮りたかったのかと思いつつ、中盤以降はゾンビ映画か?みたいな展開があって、あれよあれよと言う間に無理やり丸く収めるかのようなエンディング。
技術革新と負の側面を扱った映画なんだけど、映像面での技術革新が内容のない負の映画を作ってしまうとはなんとも皮肉なことか。
見ている人を置き去りにして監督のとりたかった映像だけになってしまった感じ。
HBOかFOXあたりのTVドラマシリーズかなんかで、キャラクターの背景を丁寧に描けるよいシナリオライターがいれば、いい作品になったかもしれない駄作なんだけど、なんだか惜しい作品。
物好きの方だけどうぞ。
オススメはしません。
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