[映画] ヒップホップ黎明期の記録ドキュメンタリー『Style Wars』

2014年9月29日
2021年9月28日
gappacker
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photo by J & Special K

ヒップホップ黎明期のNYを記録

ニューヨークでグラフィティアートが生まれた頃、ヒップホップ黎明期の時代を切り取ったキュメンタリー作品。
地下鉄の車両に自らのアーティスト名等を色鮮やかに表現することから始まったグラフィティアート。

少年達は夜な夜な車両が置かれている立ち入り禁止地区などに潜り込み、スプレイを使用して車両にペイントしていく。
彼らは自らの作品がニューヨーク中を走り回ることに興奮し、表現方法や完成度を競っていた。

もちろん違法行為なので、市民や行政などの反応は様々であり、それらの声もちゃんとおさめられている。
少年達が生み出した表現方法と、それを取り巻く人々の反応など、その時代とグラフィティカルチャーが記録されている貴重な作品である。
一部、ブレイクダンスなどの表現方法やダンスバトルなどについてのシーンも収められている。

映画を観た感想

この映画の存在は前から知っていて、以前から観たいと思っていたのだが、今回DMMのオンラインレンタルで見つけて借りてみることにした。
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近年ではグラフィティアートというものに対する認知はある程度広がっていながら、その一方で規制や条例の厳罰化などで町中で見かけることも少なくなってしまった。

日本でも90年代後期に横浜桜木町のガード下数百メートルの壁一面には優れたグラフィティアートが多数あった。アメリカの文化の影響をところどころでみかける横浜らしさの一つの象徴だったと思うのだが、今では全て消されてしまった。

グラフィティアートが法的に問題があることは理解しているが、僕は、あの桜木町ガード下のグラフィティアート群はかなり文化的価値のあるものだったように思っている。もちろん個人宅のガレージなどに勝手に落書きするような行為は困るが、公共の場所においてはある程度の寛容さがあってもいいのではないか。

このような文化が消されてしまうのは地域コミュニティのアートに対する理解度の欠如が原因だと思うのだが、どうにか残すことを前提に考えられなかったのかと残念に思う。

地下鉄の車両に描かれていたニューヨークのグラフィティアートはなくなったものの、世界中でグラフィティアートは発展しているし、ロンドン在住のストリートアーティストBANKSYの撮った『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』内で紹介されているようなストリートアートへの流れに繋がっていく原点がこのドキュメンタリーを通して見える気がする。

ストリートアートについての2つの作品を合わせてみることで、時代の変遷や発展の具合が感じられるのではないかと思う。
とても興味深い作品だった。


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