photo by Montecruz Foto
パレスチナのヒップホップドキュメンタリー
結構マイナーな作品ぽいけど、絶賛お試し中のDMMのオンライン宅配レンタルで見かけ、基礎知識なしに借りて観た作品です。
内容はヒップホップを通してパレスチナの現状やメッセージを発信するラッパーに迫ったドキュメンタリー作品。
1948年の一方的なイスラエル建国により、難民となったパレスチナ人や、そのままイスラエルの他の地に残り、イスラエルのアラブ人として迫害されながらも暮らしている人々。(48年組)そして1967年の大三次中東戦争でイスラエルに占領されたガザ地区やヨルダン川西域という占領地に住んでいるパレスチナ人。(67年組)
分断された彼らの心情や置かれた環境など、イスラエルとパレスチナをめぐる情勢などは日本人にとってはとてもわかりにくい部分が多い。
それは現地の声が入ってくる機会が少なく、イスラエルよりのアメリカのメディアが伝える情報が多いからだと思うのだが、この作品は現地のパレスチナ人の生活や声がそのまま伝わってくる作品だ。
そこにヤラせや演出された感じはない。
というよりも、そのような余裕はないのだろう。ありのままを見せている感じだ。
映画を観た感想
アラブ語を喋っていれば職質され、バスに乗っていればジロジロ見られ、バッグを持っていれば自爆テロだと疑われる。自分たちの土地で自由に移動することが許されず、片道30km程度の距離を多数の検問所で足止めをくらいながら5時間かけて移動する。
まるで暇つぶしかのように住居を破壊され、ただ座っていた子ども達が突然の銃撃に逃げ惑う。
オリーブの樹を掘り起こし大きな壁を作り、ある場所ではアラブ人を住ませないように重機なしでは動かせないような大きな岩を置いていく。
これでは、自爆テロが許される行為ではないとしても、そのような手法に走ってしまう若者がいてもおかしくないと思えてしまうくらい酷い惨状である。
多くのパレスチナ人が不満を持ちながらも、何か抗議をすれば逮捕され、ユダヤ人主体のイスラエル国家によって裁かれ、投獄される。
投石して逮捕されれば1年経っても裁判すら始まらない。
こんな現状が世界には届いているのだろうか。
僕らは単純に宗教間の難しい問題としてパレスチナ問題を片付けてしまっていないだろうか。
映像を見ている限り、イスラエルはユダヤ人が受けてきた迫害をそのままアラブ人に行っているのではないかと思えて仕方ない。
閉ざされた環境の中で少年達は夢を見ることさえできず、ドラッグの売人に憧れる。
そんな現状を伝えるためにマイクを持った人々がいる。
彼らはライブでこそ怒りを存分に吐き出しているが、その一方で子ども達の未来のために、自分たちが落ちた穴を埋めたいとも言っている。
彼らは現状を変えようとしている、暴力ではない手段で。
予告編
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