四国ヒッチハイク日記。1日目。まさかの神奈川を出られず。の続きです。
足柄SAは快適である
前日はなんとか日付が変わる前に東名足柄SAに滑り込んだ。
SAの場合は夜間も車を拾うことは不可能ではない。
ただ、中途半端に移動して深夜に寂びれたところで降ろしてもらうよりも、施設の充実したところで休んだほうがいい。
ネットカフェのリクライニングチェアで体を揉みほぐしまくりながらジェネレーションギャップを乗り越えるための「ONE PIECE」を読みながら眠りにつく。
朝、目覚めるとカラっカラの喉をお茶で潤し、すぐにシャワーを浴びる。
マッサージチェアではあったけど、フラットに近いところまで倒せたし、寝る寸前まで全身を揉みほぐしまくったので疲れは取れていた。
会計を済ませ外に出ると、身長が3cmくらい伸びそうな程の快晴。(※ 個人差によります。)
そしてテラスに出ると、まる見えの富士。
チラリズムの欠片もありません。
おおぉ、これを見ろってことだったのね。
サンクス、神様。 (信仰心これといってナシ)
シャワーも浴びて、わりとベストコンディションっぽい富士を堪能していたら腹が減って来た。
富士山のおっぱいというヨーグルトに釣られ、ファミマでパンを買ってほうばる。
いい天気だし、俄然テンションが上がりまくり。
よっしゃ、いってみよう!
ヒッチハイクを開始
9:15 ヒッチハイク開始。
SAの出口付近でアサラト振りながら待っているけど一向に止まる気配はない。
が、天気もいいし、ゆっくり寝たので余裕。
1時間くらい経った後、1台の車が止まってくれたのでバックパックを手に小走りで駆け寄る。
窓を開けて話すと、止まってくれたのに状況整理できてないみたいな状況。(笑)
でも、話してみたらどうやら乗せてってくれるらしい。
どこで降ろしてもらうか決めないまま、車に乗り込んで西へ向かう。
乗せてくれたのは親の世代くらいの子供のいないご夫婦。
旦那さんは現場監督あがりで職人の手配とかをやってるらしい。
途中でSAに寄ったときにはお昼をご馳走になった。
ありがたいです。
いい天気の中、途中ウトウトしかけたが多分バレてないと思う。多分。。。
いろいろ話をしたんだけどネタになりそうな話でもないので割愛しておきます。
わりと真面目な話が多かったかな。
大阪のほうで1泊するといったら無理して市街まで行ってくれようとするので、吹田SAで降ろしてもらうことにした。
吹田SAは下り側から上り側まで陸橋が渡っていて、さらに上り側からは従業員用の出入り口を使ってした道に降りられる。
最初に話したヤマトの配達の人が関西弁という当たり前のことに軽くビックリする。
あっ、俺もう関西いるのか。。
とりあえず大阪市街地に出るための幹線道路沿いまで出ようと背後から来る車に親指を誇示しながら徒歩移動。
ところが止まってくれない。
露出が足りないのか?
乳首立ててピンクのタンクトップ着ないとダメなのか?
何でやねん。止まらんかい!
あまりにも車に止まってもらえないと、いろいろ頭の中で文句言ってます。
しかも下品な笑みを浮かべていく車には中指立てそうになります。
絶対仲良くなれないと思えるあの下品な笑み。
それがカップルだと萎えますね。
意外と表情って見えてるんですよね。
テレビを見るような感覚でこっちを見てるけど、あんたも見えてんだよ。
こちとら、すれ違い様の何千台の表情読み取ってるんですよ。
一瞬のリアクションで人間性が垣間見えるんです。
不思議なのが、たまに捕われたお姫様みたいなもの悲しい表情で助手席乗っての女の子とかいるんですよね。
政略結婚でもさせられたんでしょうか?
「そこから逃げ出して僕と新しい世界に行こうよ。」
とか言いそうになります。
(あ、ゴメン。歩きだけどね。。)
というわけで結局、江坂って駅まで歩いちゃいましたよ。
途中でぺちゃ焼きとかいうの食べたけど。
交差点のところにあったカフェでちょっと一休みついでにまさかのCoffeeMeeting登録。
いや、近くに誰かいたら面白いかと思ったんだけど、結局成立せず。
さすがにいきなりすぎて難しいか。
iPhoneの充電と体力を少し回復させてヒッチハイクを再開。
ここから南に下っていけば市街地に出る。
とか思ってたら思い出した。
あっ、今日の宿決めてない。
そう思って幹線道路沿いの街灯の下でゲストハウスに電話するもどこも満室。
マジかよ。
これだから日本は嫌よね。
休みの日程が重なるからゲストハウスしっかり予約で埋まってるのよね。
海外旅してるときほぼ飛び込みで宿決められるのになぁ。
念のため有料カウチサーフィン的なノリの新サービスRoomstayでも1件問い合わせてみる。
とりあえず市街地に向かってからなんとかするか。
ボードを脇に抱え、車を拾うのに適した場所を探そうと移動しようとした時に「名古屋行くんか?」と話しかけられた。
声の先にはタクシーの運転手さん。
どうやらボードに書いてあった名古屋の文字が見えたらしい。
僕「あ、これさっき使ってたやつです。次は市街行くつもりなんですけど宿がまだ決まってないんですよね。」
僕「西成のほう行こうかと思ってます。」
運「西成やったら安い宿はぎょうさんあるやろうなぁ。」
僕「ちょっと確認して予約してみますわ。」
– 電話 –
僕「2000円の部屋あるみたいなのでそこ行きますわ。」
運「西成なんて書いたらアカンでぇ、誰も乗ってけてくれへん。」
僕「難波でいいですかねぇ?難波って漢字と平仮名とカタカナどれがしっくりきます?」
運「カタカナちゃうかぁ?」
僕「ありがとうございます。じゃあナンバで行きます。」
運「ほな、頑張ってな。」
15分程会話した後、ヒッチハイク再開。
わりと大きな幹線道路沿いのため、スピードが出ていて止めるのが難しい。
まさかの展開
20分くらいした後だろうか「兄ちゃん。」と声をかけられ、振り返ると先ほどのタクシーの運転手さん。
運「ヒマやからタダで乗せてったるわ。」
僕「えっ?」
運「今日は商売にならへん。」
僕「いいんですか?」
運「。。。(乗せる準備)」
というわけで奇跡のタクシー無賃乗車。
しかも街を説明しながら進んでくれる。
なんでも大学生の時はバックパッカーだったらしく、その後商社に勤め、独立して投資顧問会社を経営。
結構上手くいっていたらしい。
「遊びすぎて今じゃこのザマですわぁ。」
酸いも甘いも知り尽くした人らしい。
タクシー運転手という仕事は1週間単位で街の景気がわかると言っていた。
そう言われるとタクシーの運転手さんほど街と密接に関わっている職種も少ない。
その街の景気や治安などをもっとも把握しているのはタクシーの運転手さんなのだ。
新しい街でビジネス始めるならタクシーの運転手さんに聞き込みするのが良さそうだと思った。
勘の良さそうな運転手さんを探して街を一周してもらえば良い。
運「まともなタクシーはこの辺は走らんのですわ。」
運「ヤクの売人やらなんやらおるでしょう?」
運「いろいろ連れ回されたあげく金払わんのですわ。」
なるほど西成って思った以上に評判悪いんだな。
前にも通天閣は来たことあったけど、その時は親戚の家に泊まったしな。
運「おっ、ここですわな。わりとキレイやないですか。」
宿の真ん前で降ろしてくれる。
御礼を言ってお別れ。
うん、いい人だ。
また借りができた。この恩は旅人に返そう。
宿にチェックインする。
ロビーには若い外国人やマレーシア人の家族旅行者 (後で会話した)などがいて、そんなに悪くない。
ところが部屋はヤニ臭かった。
それなりの年月をかけてタタミに染み付いたヤニの臭い。
こりゃたまらんが一晩の辛抱。
シャワーを浴び、腹が減ったので散歩がてら飯を食いにいく。
ションベン臭い路上では、乾杯しているホームレスが何かを語りあってる。
暗がりでも、不衛生な身なりだと認識できる千鳥足の人影も見える。
恐らくここは日本の底辺なのだろうと感じる場所、西成。
ここで見る人達に比べると東京で見るホームレスはわりとこぎれいな人が多い気がする。
50円の自販機で飲み物を買ってしばらく歩き回っていると、まだ開いている定食屋さんがあり焼き肉定食の文字につられて入る。
入ってから気づいたけど韓国系の定食屋さんだったらしく、中にいたお客さんも店員さんも全員韓国人(在日の人)。
飛び込みであんな時間に一人でやってくる日本人はいないということが空気から読み取れた。
空気ってすごい。(笑)
そうは言っても、とりあえず入っちゃったので焼き肉定食をオーダー。
入り口に近いところに座っていた強面のおにーさんも気を取り直して韓国語のカラオケを歌い出す。
みんなノリノリで韓国語のカラオケ連発していてカウンターのお母さんもノリノリ。
何言ってんのか全然わかんなかったけど、あの空気、面白かったなぁ。
なんかノーガードでいったら、いつのまにか一体感があって一緒になれた気がした。
その後、出るタイミングを見計らい、歌が一瞬途切れたところでお会計。
通天閣の下を軽く散歩してから宿のヤニ臭い部屋へ戻る。
明日の予定は明日決めると決めて就寝。Zzz…
四国ヒッチハイク日記3日目。大阪来て、たこ焼き食わないワケいかんやろ。につづく
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