四国ヒッチハイク日記4日目。大阪から四国入りを目指すも明石SAで足止め。

2012年5月12日
2016年3月30日
gappacker
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四日目の朝。

起きて荷物をまとめるとフロントに荷物を預ける。
ロビーでコーヒーを飲み、少しゆっくりしてから出かける。

西成のあいりん地区 (釜ヶ崎) へ向かう。
あいりん地区についてはwikipediaで下記をご覧下さい。
あいりん地区 (ウィキペディア)

海外でもそうですが、貧困地区や治安が悪いとされる地区を歩く時は気をつけていることがあります。
そんなに危険な地区ばかりに行っている訳ではありませんが、何かのヒントになるかもしれないので一応書いておきます。

貧困地区や治安が悪いとされる地区を歩く時に気をつけていること
・偉そうにしないこと。
・オドオドしないこと。
・むやみに写真を撮らないこと。
・興味本位で他人をジロジロ見ないこと。
・背後を意識して歩くこと。
・不用意に立ち止まらないこと。
・やむを得ず立ち止まるときは壁を背にすること。
・普段以上に方向感覚を意識してあるくこと。

これだけ気をつけていれば大抵のトラブルを未然に防げると思います。
写真は撮りたくなったりするのですが、そこにいる人を刺激する恐れがあるのと、何より写真撮ってる時って無防備ですよね。
なのでわりきって最初からカメラ出さないようにしてます。

あいりん地区に関しては行った時には特に危険な感じはしませんでした。
ただし、過去に何度も暴動が起きている場所なので油断は禁物です。

さて、あいりん地区を歩いたのは確か10時くらいの20分間程だけでした。
路上で寝ている人や、この時間帯から缶ビールで乾杯している人、既に千鳥足の初老の方々がいらっしゃいます。
訳のわかんないことをわめいてるお婆さんに「うるせぇ!クソばばあ。」と怒鳴っている紫色のパンツにセカンドバッグ持った今では珍しいタイプのサングラスをかけた人などもお見かけしました。

でも、天気のせいか、悲壮感はなく、どこかのどかに思えました。
 
その他、シンゴ西成というラッパーの看板があったり、全室カラーテレビ付きA室700円、B室800円とかもあります。
地区内に警察署があるのですが、全面がしっかりした柵で覆われているんですね。
あれをしっかり閉めておけば、囲まれても、なだれ込まれるリスクを軽減できそうです。

しかし、ここから何人の人が何も知らずに原発に作業員として連れて行かれたんだろうか?

そんなこと考えながら通天閣のほうへ戻り、レトロな感じの喫茶店に入る。
パンケーキセットを頼むと、ヒョウ柄でオシャレしたエミちゃん(推定65歳)がパンケーキを持って来てくれる。
昔ながらのパンケーキ。なんかいいわぁ。
パンケーキを食べ、単調な味のアイスコーヒーを飲みながら地図を見て今日のルートなどを考える。
会計済ませようとレジに向かうとエミちゃんが
「兄ちゃん、ヒョウタンぶら下げとんか?」と聞いてくる。
「あ、これ一応楽器なんです。」
と腰にぶら下げたアサラトをネタにエミちゃんと少しだけ会話する。

宿に戻るとフロントで荷物を受け取り出発。
今日は四国上陸するぞー!

で、とりあえず神戸のほうへ向かう車をホテル前の幹線道路沿いで拾うことにしたのだがここは西成。
必要以上に難易度が高くなりそうなので、幹線道路沿いを徒歩で西へ移動。

1kmほど歩いた場所でヒッチハイクを開始する。
「神戸」というボードを持って待つこと45分ほど。

一台の車が止まってくれる。
紺色のワークウェアを来た40代の男性。
聞くと在日3世の方でアスベスト除去の仕事をしているらしい。

アスベスト除去の仕事は養生がかなり重要で、蟻一匹すら通さない精度で行うとのこと。
一時期立てていた建物にはほぼアスベストが含まれてるそうで、当面喰いっぱぐれのない仕事だとか。

近々、再婚するとのことで、独身の僕はいろいろとアドバイスを頂きました。^^
話のしやすい気持ちのよい大人だったので、在日の話、選挙権の話など1時間程いろいろな話をしました。
大阪は在日の人が多いとのことで、そのこと自体で差別をされたり、嫌な思いをしたことはないと言っていました。

中でも面白かったのが在日の人達の相互扶助的習慣の話でした。
何人かで集まりグループをつくって、毎月決まった日にお金を出し合って積み立てしていき、
誰かがお金が必要になった時にそれを無償で使えるという。
しかもそのお金は返さなくて良いらしい。

そうやって事業を始める人間は事業に挑戦していたりするのだそうだ。
銀行からはお金が借りにくかったであろうことは容易に想像できる。
優れた仕組みだ。

この方には結局、長田の辺りで降ろしてもらいました。

その後、高速乗り場付近で拾おうとするもののなかなか掴まらない。
先ほど乗せてくれた方も、どこで次の車を拾うべきか一緒に悩んでくれたのだが、その意味を思い知ることになる。

淡路島に渡るには明石海峡大橋を渡らなきゃいけないのだが、その寸前で車を拾えるところが無い。
しかも高速の乗り場は至る所にあるので絞れない。

これには参った。
マーケティングで例えるなら年齢や性別、属性などのセグメントを絞る前の人達に訴求してる感じ。
しかもその広告媒体の影響力が少なく、他にも多数の選択肢がある中での一カ所というかなりの無力感。

しばらく様子見で車を拾おうと努力したけど、2時間ほどして諦めて移動することに。
とりあえず親指立てながら徒歩で西のほうへ向かう。
最悪、明石海峡大橋の下まで行けば、何らかの解決策が見つかるかもしれない。

3kmほど歩いた所で、少し車の速度が落ちるポイントがあったので、バックパックを降ろしてそこでヒッチハイク再開。
暫くしてラパンに乗ったお兄さんが止まってくれた。

溶接工場などで使用するガスを配送するお仕事をされているらしい。
とりあえず明石海峡大橋の下まで言ってもらう話だったのだけど、下で拾うよりも高速のSAのほうがいいんじゃないかと明石SAに連れてってもらうことに。
明石海峡大橋を左手に見ながら進む。

途中で明石焼きの美味しいところに連れてってもらいご馳走になりました。
つゆにつけるか、塩をつけるか、タレつけるかでいろいろ楽しめます。

その後、明石SAで降ろしてもらい、次の車を拾おうとするものの、四国ナンバー自体が少ないし、絶対的に不利。
嫌な予感は徐々に確信に変わっていく。

しばらくはアサラト振って待ってたんだけど全然車が来ないし、たまに来ても方向が違っているのか、興味を示してくれても止まってくれない。

街灯の下で「動員の革命」を読みながら待つ。
トラックが数台止まっていたのでETC夜間割引にあわせて動き出すかと待っていたが変化なし。

やっと止まってくれた一人のトラックの運転手さんに「ここからじゃ四国はあんまり行かんと思うで。」と言われる。
うん、知ってるんだけどどうしようもないんだよね。(^^;

この時間に、した道に降りても怪しいしね。
とりあえずここで夜を越すことになりそうだ。

風が出て来て、寒くなって来たので建物のほうへ向かう。
中でじっとしてるのもどうかと思って外にいたら、中のオジサンが出て来てくれて「中で休んでください。」そう言ってくれる。
で、座っていたらインスタントのコーヒーの粉持って来てくれて「あそこにコップとお湯があるんで飲んで下さい。」

ちょー、優しい。
少女漫画バリに目がキラキラしちゃいましたよ。

しかしよく見たら胸に研修中ってバッジつけてる。
でもね。胸のバッチとおじさんの顔を往復してから思いましたよ。

(フッ、俺の目は誤摩化せないぜ。オヤジ。)

僕、あれは多分偉い人だと思うんですよ。
いや、自分の判断で動いてる感じがあって、なんか貫禄あるのね。
視察というか、急遽現場に入ったやり手の人と言うかね。
服装ラフだけど仕事はこなれた感じだし、他に偉い人がいないんですよ。
研修中って普通教える人が一緒にいたりするでしょ?

まぁ、そんなこと考えて深読みと妄想の間を行き来したり、本読んだり、ウトウトしたりしながら朝を待っていました。
明けない夜はない。そう思って耐えたこの旅で体力的に一番きつかった四日目の夜。

明日こそ、四国上陸するぜ!

四国ヒッチハイク日記5日目。フェリーで淡路島へ渡り、四国上陸。につづく

ヒッチハイクマニュアル

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