先日、友人と富士山に登ってきました。
震災以降、I♥JAPAN、DISCOVER JAPANモードな僕ですが、このたび、初めての富士登山に行ってきました。
元々それほど山に興味があるほうではなかったのですが、ヒッチハイクで朝霧JAMに行った時、山に対応できたらもっと自由度とサバイバル能力が高まるだろうと感じ、それを徐々に実行していきたいなぁと思っていました。(※寺門ジモンになりたいワケではありません。)
「山を攻めよう。」
そうとなれば、そりゃもうキング・オブ・ジャパニーズマウンテン【 Mt.Fuji 】以外に考えられません。
しかし、時すでに遅し、去年そう思い立った時は10月で富士山の登山シーズンは既に過ぎていました。
この時は装備も貧弱で、経験もありませんでしたのでなくなく断念しました。
こういう時にクレイジーなジャップなら無理をしてでも登るんでしょうが、わりかしいい歳こいた大人です。
戦略と勢いのバランスは大事にしたいですからね。
来年こそは富士山に登ろうと決め、登山靴、ヘッドライト、防寒着など必要最低限と思われるものを少しづつ揃えたりしていました。
そして夏の香りがしてきた2012年6月初旬、Facebookで富士登山に行かないかと呼びかけてみました。
カリスマ性のある僕のことです。当然のことながら次々と手は挙がりません。。。
またまたご冗談を。。
キング・オブ・ジャパニースマウンテンですよ、奥さん。
行こうぜっ!
。。。
勢い良く言ってもダメみたいです。
なんとか集まった男3人で『素人登山部やっほう』結成です。
よくノリで始め、呆れられる僕ですが、こればっかりは仕方ないでしょう。
『だって男の子だもん。』
なんとなく結成したグループメンバーのYと供に計画を練ります。
人数決まってからルートとか決めようとか言ってたけど、時間が経っても誰も手を挙げる気配はありません。。
そしてスケジュールのことなどもあり、結局2人で登ることに。
2人だし、じゃあ麓からでしょ、あっ、山小屋予約しないとダメか?
ご来光見たいよね。富士宮ルートの山小屋どこがあるんだろう?
富士宮ルートだと下から登れないのかな?
とか、あーだこーだ連絡とりながら決めていきます。
この辺はいろいろ調べてくれたY君の尽力に感謝ですね。
結局僕らは富士宮ルートの水ヶ塚公園駐車場というところにクルマを停め、すぐ近くの須山口登山歩道というところから登ることにしました。
ちょうど富士宮ルートの2合目にあたるらしいです。
ちなみにこの駐車場にクルマを停めて富士宮ルートの5合目までは有料シャトルバスで行くことも可能です。
歩いて行くと5合目まで休まずに歩いて210分、3時間半ですね。
駐車場から富士山を見上げながら「やっぱりでけぇな、あれ登んのかよ」とか言いながら準備開始。
道路を渡り、登山口から森に突入します。
最初のほうは談笑しながら歩いていたものの、30分すると口数が少なくなり、45分過ぎた頃には、ほぼ無口に。
後で話したら、お互い結構「ヤバイ」と感じてたようです。(笑)
自分の場合は足腰は平気なんだけど、とにかく息が切れる。
これはもう運動不足でしかないんですが、歩き出しで1時間もしないで「これ無理かも。」とか思ってました。
まだ早いかも、と思いながらも「ちょっと休憩しない?」
倒木の近くの少し開けた場所でバックパックを置いて、小休憩。
よく見るとY君のTシャツには”No Return”とか書いてあります。
まったくクレイジーなヤツです。
少し休憩してみて、携行食を食べたりしてみると、おどろくほど身体が軽くなります。
やはりこまめな休憩と水分補給は大事だと感じました。
2合目から5合目の手前あたりまでは、自然も豊かで、休憩がてら写真を撮ったり、立ち止まったりしながら、徐々にペースを掴んで行きます。
途中には、雪解け水で流されたのか、木が倒れて朽ちていたり、根っこが剥き出しになっていたりしていました。
良くわかんない植物も生えてます。
しばらくすると前方から人の声が。
完全装備の男1人と女の子2人の3人組が降りてきました。
「こんにちわー」
「下から登るの初めてですか?」
「きついですよー。(笑)」
笑顔で、かつ、嫌みなく言われる。
するとフォローするように「女子でも登れたんで、平気ですよ。^^」
と清々しく女子が続く。
「頑張ります。」
そう挨拶して別れます。
まぁ、そうですよね。
まだまだ全然登ってないし。。(^^;
そんなこんなで休憩を挟みながら歩くこと3時間、徐々に植物が単調になり、石ころが目立ち出します。
そして、霧(雲?)もでてきました。
このあたりになると、踏みしめる度に足が滑るので、なかなか前に進んでる感じがしません。
リアルタイムでふくらはぎに乳酸が溜まっていくのがわかるようでした。
写真だと伝わりにくいですが、傾斜があるうえに見た目よりも長いんですね。
僕らは二人ともトレッキングポールを持っていなかったのですが、この辺はトレッキングポールがあったほうが楽なのかもしれません。
「ここきついなぁ」とか言いいながら登っていると、後ろから体育会系のかけ声が。
誰かが何かを叫ぶと、呼応するようにかけ声がこだまする。
下を見ると青い集団が数珠つなぎで連なっている。
その数、ゆうに50人は超えています。
何だあれ?イヤだ。
被りたくないし、なにより挨拶するのがメンドクサイ。
追われるように歩を進める我が小隊(素人登山部2名)。
しかし後方からこだまする、あまりの威勢の良さに観念し、先に行ってもらおうということにする。
脇にある大きな石の上に腰をかけ、しばしの休憩。
そしてその「青き集団」が我が小隊にあと20mと迫った瞬間、先頭の隊長が声をあげる。
「左に寄って休憩〜」
「えっーー、先行ってくれないの?」
バカみたいに元気な体育会系集団をやり過ごせず苦笑する我が小隊(数え直しても2人)。
彼らが行かないのであればと、重い腰を上げ、再び登り始める。
宝永山を右手に見ながら傾斜のある砂利道を登坂する。
6合目方面に直接向かう道のほうへ進み、30分ほど歩くと、ようやく始めての山小屋、6合目宝永山荘に到着します。
飲み物はすでに300円、トイレは使用料200円です。
ここでしばしの休憩。
ここからは車で5合目まで登って来た人達が合流するので急激に登山者の数が増えます。
そして、ここからが修行でした。
単調な風景に、それほど遠くなさそうに見えて、なかなか辿り着かない山小屋。
足に蓄積している疲労をあざ笑うかのように滑る足元。
空気も薄くなってきているため、大きく深呼吸するように呼吸しないと、うまく体内に酸素を取り込めません。。
こまめに小停止しながら、絞り出すようにして一歩一歩を踏み出します。
7合目に着いた辺りで急に雨が降り出しました。
すぐに雨具を取り出し、ザックカバーをかけます。
雨自体は10分程で止んだものの、いつ降り出してもおかしくない感じなので、脱がずにそのまま進みます。
ちなみに7合目でさきほどの集団に抜かれたのですが、部活だと思っていたその集団は社会人でDスチール社の新入社員?らしく、海抜0mから来たらしいです。めちゃめちゃ元気でした。
黄色いザックカバーの集団がそのグループうちの一つ。
この辺になると息もすぐあがるし、眠いし、高山病っぽい感じもしました。
ゆっくりと呼吸し、こまめに水を取り、なんとか乗り切ります。
ほとんど写真を撮っていないことからも、きつかったことがわかります。
上のほうへ行くと大きな岩があり、それを迂回するようになんども折り返して登っていきます。
体力の限界を何度も感じながら何とか9合目の山小屋に到着します。
マジで疲れました。
宿の予約を確認すると、畳4畳程のスペースが二つに分割された2畳のほうへ案内される。
ここで4人が寝るので、1人につき畳を縦に割った半畳のスペースになります。
隣同士の人間が同時に寝返りうったら、ぶっちゅ、ってなります。
腕枕できる距離ですね。狭いです。
とりあえず荷物を置いて飯セットを持って外へ。
徐々に冷え込んでいく中、調理開始です。
山小屋で1000円で食べることもできるんですが、ここはY君に付き合ってもらいました。
ホントにお湯湧かして作るだけのカレー味のラーメンとアルファ米の牛飯です。
具なしで質素な晩飯でしたが、道具一式があれば食費は抑えられそうです。
今後、状況に応じて、よりおいしく、安く、軽くを目指していきたいところです。
食事が終わり、房に戻ると隣にいた佐世保から来たという外国人の親父と息子(ハーフ?)が寝っ転がっています。
二人ともデカめなので嫌な予感がしましたが、後々これが的中。
最悪の夜を過ごすことになります。
19時に消灯、しばらくすると隣の2畳の4人のうちコチラ側の二人がイビキをかきだします。
ドミトリーで慣れてるとはいうもののここまでの近距離はあまりない。
しかも、なんとその二人のイビキ、無駄にハモったりしてる。。
これには参りました。
途中でその二人起きて少し会話したんですが、
「なかなか寝れないねぇ」
とか言うんですよ!
殺意が芽生えました。
『富士山9合目イビキ殺人事件』
あると思いました。
うるせぇなぁと思ってたら、今度は逆サイドの佐世保マンの寝相が悪くてどんどんこっちに寄ってきます。
右サイドのイビキに我慢しつつ、左サイドをブロックという到底休みようがない状況で結局2時まで過ごしました。
ドミトリーでは何十カ所も泊まってるけど、ここまで酷い状況ははなかったです。
高地で空気が薄く、狭い空間に大人数が収容され、さらに空気が乾燥している。
早く朝になってくれと思いました。
朝2時が過ぎ、皆がゴソゴソしだした頃、相変わらず起きたままいました。
一睡もできないまま荷物をまとめ、出る準備をしていたのですが頭が痛い。
マジかー。
さすがに体調がキビシすぎる。
持参した頭痛薬を飲み、防寒着を着込んで外に出ます。
しかし、グズグズしているとご来光見えなくなる恐れがあるのでムチ打って出発することに。
ちなみにY君はちょこちょこ寝れたらしいです。
外は当然のことながらまだ真っ暗。
ヘッドライトの灯りをたよりに大勢の人達が山道を登っていきます。
この時、体調は万全ではなかったものの、沢山の人が暗い中登っているので、ペースがゆっくりだったのは救いでした。
また、前日頑張ったおかげで頂上まで登る時間が1時間ちょっとだったのも結果的には良かったです。
これが2〜3時間だったら結構きつかったし、ご来光に間に合うように登るのは難しかったかもしれません。
真っ暗だったので写真には撮りませんでしたが、登っている途中で後ろを振り返ると、動くヘッドライトが蛇のようにクネクネと続いているのが印象的でした。
ゆっくり呼吸をしながらなんとか頂上まで登りきります。
もはや完全無心でしたが、Y君がカメラマン御用達のiPhoneアプリで太陽の上がる位置を特定してくれたので、そこを目指します。
東南方向に切り立った斜面に腰掛け、暗がりの中お湯を沸かし、紅茶をいただきます。
東の方角から徐々に明るくなっていく世界。
そしてご来光っ。
徐々に明るくなると今度は下界を遮るように広がる雲海がとても奇麗でした。
しばらくして、お鉢めぐりをするため動き出します。
火口の周りをぐるっと2kmほど歩くコースですね。
ちょうど富士山火口の北側に着いたとき奇麗な影富士が見えました。
その後富士山最高峰の石碑の前でパシャリ。(この写真はなし)
その後、浅間神社奥宮にて御朱印をいただきます。
もちろん朱印帳はヒッチハイクで四国に行った際に訪れた阿波の国の一ノ宮、大麻比古神社の朱印帳です。
金比羅山での失敗を教訓に今回は忘れずにちゃんと持ってきましたヨ。
二人でお参りしてから下山。
こっから先はあまり覚えてません。(笑)
景色を見る余裕もないまま、ひたすら無心で下ってました。
覚えているのは7合目で富士山うどんを食べたことと、終止、喉の渇きに飢えていたことくらいです。
行きで水がなくなって、下りは500円の水を買わずに6合目の300円まで我慢し500mlを一気に飲み、
その後、また2合目の駐車場まで喉の渇きに飢えていました。
途中からはかっくんかっくんのヒザを惰性で前に進め、体重に堪えきれずに曲がる力で全身しているような状態で、喉の渇きと体力の限界に、誰にということもなく反ギレ状態の最後でした。(笑)
一日で2合目から9合目ってのは普段運動していない人には相当過酷だと思います。
ただし、一日目で苦労した分、朝方のご来光渋滞を避けられるのは良い点でした。
歩き出して1時間くらいは「ヤバい」と思いましたが、行ってみればなんとかなるもんですね。
なんだかんだ言って、ちょっと雨に降られたのと山小屋での居心地の悪さ以外は完璧だったっぽいっす。
富士山、機会があれば行ってみてはどうでしょうか?
絶対ムカつきますよ。(笑)
最後に
『素人登山部やっほう』ではゆるーく部員を募集してます。
もし興味ある人いたら一緒にどっかの山行きましょう。
基本、素人なのでその辺は覚悟の上でね。
追記:富士登山に必要な装備について書きました。
富士登山の装備と服装で必要なもの
富士登山ベストシーズン到来。今年こそ登る?
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