残酷かつショッキングな映像
元イルカ調教師による日本の捕鯨に関するドキュメンタリー映画。
主張を伝えるという意味では良く出来た映画だと思う。
マイケル・ムーアの作品などでもそうだが、答えありきで作られたドキュメンタリー映画は懐疑的な視点を持って見ないと、容易にマインドコントロールされてしまう。そういう意味では、この映画は「反捕鯨のスタンス」で撮られているドキュメンタリーという事を、あらかじめ理解しておく必要がある。(※ ちなみにマイケル・ムーア作品は好きだ)
捕鯨の是非については様々な意見がある。
僕もイルカは好きだし、知能の高い生物であることは理解している。
イルカを殺戮しているシーンには心が痛んだし、血に染まった赤い海をキレイだとは微塵も思わない。
感情的にはどちらかというと捕鯨反対のほうが近いのかも知れない。
しかし、他の動物を獲るのは良くて、イルカや鯨を獲るのはダメだという主張が論理的だとは思えないし、日本人からすると、欧米の価値観を押し付けられているようにも感じてしまう。
おそらく制作側も論理的ではないのがわかっていて、だからこそショッキングな映像で感情論に訴えるつくりにしてあるようにも思える。
映画を見ていて違和感を感じたのは、太地町の体質が一部原発事故の対応などと酷似していて、そこには利権や隠蔽体質があるように感じられた点だ。
この映画を撮ったクルーは不法侵入していて犯罪を犯している。
しかし、そうしなければ僕も含め、多くの人には知られていなかったであろう事実でもある。
捕鯨問題に限らず、日本が世界から非難を浴びている行為については、日本人として知っておいたほうがいい気がするし、明確な主張があるのであれば、隠蔽するのではなく、その主張を世界に向けて情報発信してもらいたい。
ある日、どこか旅先の外国で、日本の誰かが行った事のせいで、石を投げつけられることもあるかもしれない。
もしそんなことが起きるとすれば、その理由は気にならないだろうか。
そういう意味では、反捕鯨を訴える彼らの主張を知るためにも、多くの人に見て欲しいと思った。
国籍によって主張やスタンスを分けるのではなく、見たままで、自分がその事実をどう思うか。
そのような視点で判断したほうがいいだろう。
最後に
この映画はあくまで捕鯨反対側の視点で作られたものであり、捕鯨賛成側の主張にも耳を傾けなければ公平さを欠くだろう。
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