ただの文章のテクニック本ではない
このブログでもたびたび触れているのだが、僕は文章を書くことに対して昔から苦手意識を持っている。それでもブログを書き続けることでアレルギー反応のようなものがなくなったと思うのだが、だからといって文章が巧くなっているのかどうかというと確信は持てない。
そんなこともあり僕は文章論や文章のテクニックについて書かれた本を目にすると、ついつい手に取ってしまう。この本もそんな風にして読むことにした一冊である。
著者の阿部紘久氏はビジネスをやり終えた後に文章指導を始め、9年間のうちに、5冊の文章の書き方の本を出している。
この本はそれらの本をテキストとして使い、受講生に反応の良かった部分を抜き出した集大成のような本だそうだ。
本書の構成
本書では様々なタイプの、どこか違和感があるけれど書いてしまいがちな文章と、それをアレンジして読みやすくした文章をセットで見せて、どこが間違っていて、どうやって直すべきなのかについて説明がなされている。
元の文章と改善案を見比べられるので、読みやすい文章と読みにくい文章との違いが明確にわかるのがいい。
読んだ感想
この本はとても実用的で、誰にでも薦められる本だと思うのだが、その理由として、利用シーンなどを限定していないところにある。
いまや文章を書く場面は、ビジネスや手紙のみならず、ブログであったり、メールであったり、場合によってはネットショップの商品説明用などと、様々である。しかし、その根底にあるのは、伝えたい内容を、伝えたい相手に伝えるということに他ならない。
何を誰に伝えるかがクリアできて初めて、どのように伝えるかというレベルについて気にすべきなのだ。
そしてこの本は”文章力”とタイトルにあるが、著者は文章そのものに拘っているワケではなく、伝えることに重点を置いていることがわかる。その証拠に、元々は文章をだったものを、ためらうことなく箇条書きや、表にすることを推奨している部分がある。そうしたほうがわかりやすいからだ。これは”文章力の本”ではなかなか見かけないのではないだろうか。
もはや文章の書き方については、この本1冊でいいんではないかと思えるほど、幅広く、わかりやすい。
もちろん文章が一朝一夕で巧くなるわけではない。ただ、この本に書かれている内容を少しづつ実践していけば、そんなに遠くもないような気がするのだ。
ジャンルを問わず、文章を書く機会がある人には強くお勧めしたい1冊です。
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