[書評] 世界中の装丁の美しい本を集めた写真集『世界の美しい本』

2014年7月19日
2017年5月16日
gappacker
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世界の美しい本

世界の美しい本のコレクション

最近、活字ばかり読んでいたので、たまには美しいものを眺めることにしました。
活字ばかり読んでいても頭が固くなりそうですしね。

世界でただ一つの国際ブックデザインコンクール「世界で最も美しい本コンクール」の入選作品を紹介した本。
このコンクールは世界のコンクールで入選した本のなかから行われるコンクールです。
つまり世界中の美しい装丁の本を集めた写真集です。

チャンピオンズリーグみたいなものといったらわかりやすいでしょうか。(サッカー好きな人にしか伝わらない。)

本の構成

いろんな装丁の本を紹介しているデザインの本ですが、この本自体の装丁はとてもシンプル。
紹介する作品の邪魔をせずに、読みやすさを優先した感じでしょうか。
エゴイスティックな装丁になってしまっていて、読みにくい本になってしまうより良いと思います。

各ページの大半を使って、本の特徴を現す写真が数点、ページ下部にコピーと簡単な解説。
そして書名、著者、発行、サイズなどの基本情報が記載されています。

読んでみて

単純にタイポグラフィーやレイアウトによって美しさを表現している本から、コンセプトにあわせて仕掛けのある本など、パラパラというよりは、じっくり眺めて、時々ページをめくるのを止めて唸る感じの作品集です。

純粋に美しいと感じる本が多い中、面白いと思ったのが、表紙にタイトルが記載されてなく、小口にレーザーカッターでタイトルが刻印されている『好奇心の生成に関する論文』。
本屋で扱っていたら書店員泣かせというか、そもそも商業作品ではないからこそできるアプローチなのかもしれません。
あとは、電気を通すと表紙の文字が点滅し、黒い感熱紙に触ると文字が浮かび上がるという『過去と現在に発表された未来への展望をまとめた本』。
19世紀の科学者の熱力学についての言葉が表紙に書かれているのだとか。
この辺になってくると読みやすさを阻害している気がしないでもないですが、コンセプトとあった仕掛けなら許容範囲なのかもしれませんね。

全体を通してやはり、ドイツ、オランダ、スイスはレベルが高いなぁという印象でした。
スイスは元々タイポグラフィーなどグラフィックデザインが盛んだし、ドイツもバウハウス、オランダもドローグデザインなどがありますし、過去からのデザインの潮流が現在でも息づいているんでしょうか。(※グラフィックデザインに詳しくないので、適当なこと言ってます。)

最近あまり目を通してなかったけど、たまにはこういう作品集もいいですね。

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