きっかけは友人のお誘い
「仕事で和歌山行くけど乗ってく?」
これまで僕がヒッチハイクでいろいろな場所に行ってるのを知ってる友人が、仕事で和歌山に行くついでに乗せてってくれるという。
西のほうへは何度か行っていて、愛知、京都、大阪は通るものの、南へ下っても鈴鹿止まりで、和歌山はなかなか行く機会がなかった。熊野古道はいつか行きたいと思っていたし、伊勢神宮にも行くことができそう。
タイミング的にも丁度まとまった時間が取れたところだったので、友人の誘いに甘えてみることにした。
出発
予定では3泊ぐらいとはいえ、久しぶりの小旅行で準備にやたら手こずる。
季節的に冷え込む可能性があるし、トレッキングの準備もしなければならないので、何をどれだけ持っていくかが悩ましい。
夕方家まで車で迎えに来てもらい、出発。
車で喋りながら、どこで晩飯を食うかということになり、静岡では有名なご当地ファミレス「さわやか」に行くことにした。しかも、どうせ行くなら1号店に行ってみようということで1977年創業の1号店へ。
さわやかのげんこつハンバーグ
サービスエリアでちょこちょこ休憩を挟みながら、ゆっくりと東名を進んでいく。
ヒッチハイクだと運転しなくても結構疲れるんだけど、今回は友人の車ということでめちゃくちゃ気が楽。
三重県に入って高速を降りてからは、した道が続くのでやたら時間がかかる。長いねーとか言いながら、あらためて地図を見ながら紀伊半島の大きさを体感。
緑が多く、山が深い。興味本位で和歌山県の人口を調べたら100万人しかいないらしい。
人の車に長時間乗るのは慣れているが、今回は友人の車なのでいつもより全然気が楽である。長時間ドライブ後、道の駅に止まって少し仮眠を取ってから朝一で出発。
国道を南下して伊勢半島を抜け、海沿いの道に出た頃には道沿いにみかんの木が目立つ。
右も左もみかんだらけ。
途中、馴染みのある字面の七里御浜で小休憩。
地元鎌倉にも七里ヶ浜はあるけれど、こちらは波打ち際に石があって、波もなかなか力強い。波の質が違うのか、泡立ちが強く、ブレイクした後の白い泡が石の隙間に炭酸水のように弾けて染み込んでいくのが印象的でした。
こちらは海岸近くにある獅子岩
獅子というよりはどこかゴリラっぽい
奇跡が起きそうな、何かが降臨しそうな、そんな朝
新宮駅で朝飯食いつつ、降ろしてもらう予定で観光案内所に寄ってみると、どうも自分のイメージしていたルートを歩くとトータルで8時間ほどかかるらしい。
なので二日間に分けて行くのが良いらしいのだが、案内所の人によると新宮から小口というあたりまでは舗装された道が多く、それほど面白くないとのこと。
小口から小雲を4時間以上かけて本宮まで行き、3つある温泉郷の一つで宿泊し、翌日に発心門王子から本宮までの王道ルートを歩くプランが良さそう。
しかし、小口までのバスは午前中の早い時間に1本だけらしい。
というわけで急遽、友人が小口まで送ってくれることに。
おおまかな予定が決まる
この時点で、おおまかな予定が決まり、時間に余裕がないため、コンビニで朝飯と昼飯となるおにぎりと水を買い込む。
初日の工程
小雲取越小口起点 → 小雲取越請川起点
小雲取越請川起点 → 熊野本宮
熊野本宮 → 湯の峰温泉 (1泊)
翌日の工程
湯の峰温泉 → 発心門王子
発心門王子 → 熊野本宮
熊野本宮 → 那智の滝
那智の滝 → 那智大社
那智大社 → どこかの宿
熊野古道へ
10時過ぎに降ろしてもらった場所が、大雲取越という逆方面の入口付近だったようで、間違えて少し戻りかけてしまったが、表記がおかしいことに気づきあらためてマップを見直して修正。
小雲取越小口起点までは民家の庭のような道を抜けていきます。
小雲取越小口起点の看板。時刻は10:20
ここから14km、4時間歩くことになります。
熊野川を越えたり
この後、度々出てくる熊野古道を示す立て看板
石段
台風の影響か、倒木もありました。
急な上りもあり、そこそこアップダウンがありました。
筋力は問題ないんだけど、すぐに息が切れ、心肺機能の衰えを感じます。
東屋のある石堂茶屋跡でお昼を食べ、少し休憩する。
上りが多い。
ひらけた場所からの眺め
後半は平坦で歩きやすい道が続きます
しばらく歩くと民家が出てくる
舗装路を下ると一般道に合流します。
ここが小雲取越の請川起点となるようです。
実は熊野古道を歩いている間、48人の人とすれ違ったのですが、そのうち日本人はなんと一人だけ。
恐るべき外国人率でした。
なんでもキリスト教の巡礼地でもあるサンティアゴと熊野は姉妹都市であり、熊野は巡礼地としても知られているらしい。とはいえ、それだけであれだけの外国人を呼び込めるのか。インバウンド、インバウンドいっている地方都市の観光課の人なんかは熊野に視察に行ったほうがいいんじゃないでしょうか。
まぁ日本人がなかなか行かないから外国人の比率が高いというのもあるのでしょうが。
熊野本宮へ
ここから本宮までは普通の道を歩くようです。
さすがに4時間半アップダウンのある山道を歩いた後に、一般道を歩く気がしない。
明日も歩く予定ですし、バスに乗って行こうかと、近くのバス停で時刻表を見たらなんと45分待ち。
特に景色がいいわけでもないこの場所で45分待つのは長過ぎる。
というわけで急遽ヒッチハイクに切り替えます。
別に何も難しいことではないんだけど、こういう時にすぐヒッチハイクができるのは便利ですね。
できない人もいるだろうから、ある意味特殊スキルと言っていいのかもしれない。
ヒッチハイクの仕方については過去に書いたので興味のある方はどうぞ
親指上げはじめてから5分ほど、20台くらい車が通過したところで軽ワゴンがハザードを出しながら徐行して近づいてきてくれた。
運転していたおじさんが目一杯左腕を伸ばして、手回し窓を開けてくれると同時に「うぇあーあーゆーふろむ?」と聞いてくる。
なんか申し訳ないと思いながら、「すいません、本宮行きたいんですけど」と言うと
「あ、日本人か。外人さんかと思ったわ。」と笑いながら了承してくれる。
おじさんは熊野本宮の下にある土産物屋の方で、丁度荷物を取りに行ってお店に戻るところだったそう。
熊野川に沿った道を走りながらしばしの雑談。
少し濁ったエメラルドグリーンのような色をした熊野川について聞くと、ダムに溜まった水を放流する際の影響で不思議な色になっているらしい。
10分もかからず熊野本宮大社に到着。
歩いたら40分はかかっていたのでとても助かりました。
一礼して鳥居をくぐると石段を登る。
階段中央は神様が通るため、はじっこを歩きます。
奥が御社殿(奥は撮影禁止)
こちらが拝殿
僕は『マイ・ベスト・オブ・ジンジャーズ』という気に入った神社(寺)でのみ御朱印をもらうようにしているのですが、今回は熊野古道も歩いたわけですし、御朱印をいただくことにします。
何か違和感が。
字が。。子供っぽい。
思わず他のページの御朱印と見比べてしましましたね。
ちなみに御朱印帳は四国にヒッチハイクで行った時に大麻比古神社で購入したものです。
サッカー日本代表のマークとしても有名な、八咫烏という3本足のカラスですが、熊野では信仰の対象でもあり、いたるところでみかけます。
八咫烏は、日本書紀・古事記の「神武東征」という物語に登場します。
これは神武天皇が、宮崎県(日向)から奈良県(橿原)に都を移し、大和朝廷を開いて初代天皇に即位するまでを描いた物語です。神武天皇が熊野に到着された時、神の使者である八咫烏が奈良まで道案内をしたというエピソードから、熊野三山に共通する「導きの神鳥」として信仰されるようになりました。
こちらは八咫烏の黒ポスト。
普通に郵便が出せます。
正しい方向へ導いていただけるようお守りもゲット。
どこかビックリしてるように見えてなんか可愛い。
湯の峰温泉へ
お参りが終わり、少しゆっくりしてから近くのバスターミナルに行き、本日宿泊する湯の峰温泉へ向かう。
バスは満車だが、日本人は自分と、数人の外国人を引き連れたをガイドっぽい人、そして老夫婦の4人だけ。
バスが付いた時には既に暗くなっていました。
宿にチェックインして少し休んだ後、川にある小屋の中のつぼ湯という温泉に入りに行きます。
小屋の中に入るとすぐに階段があり、左手に脱衣カゴが置いてあります。
お湯は白く濁っていて熱めのため、水道からの水でぬるめます。
足を伸ばして首まで疲れる深さ。
1回30分までという制限がありますが、かなり疲れが取れました。
こちらが翌朝の湯の峰温泉
二日目はあいにくの雨
バスに乗り発心門王子へ。
宿で一緒になったベネチア近くの街から来たというイタリア人のルイージと一緒に歩くことにしました。
今日はここから3時間ほど本宮方面へ歩く予定です。
発心門王子
雨が降っていたせいか霧が立ち込め幻想的な感じに
前日に比べると緩やかな下りが多いため体力的にはとても楽です。
伏拝王子跡の前にある休憩所で温泉水で入れたコーヒーと温泉卵をいただきました。
ここからあと一時間歩けば昨日も行った本宮に着きます。
昨日は見かけなかった石が敷き詰めてある区間もありました。
写真を撮ってないですが、祓殿石塚遺跡(はらいどいしづかいせき)という石が大量にある場所と→祓殿王子跡(はらいどおうじあと)の前を通り昨日とは別の方角から熊野本宮に到着。
ルイージがお参りしてる間、少し休憩。
この後は高低差日本一の那智の滝を目指す予定だったが、お腹も減ったので本宮の近くで一緒に昼ごはんをいただくことに。
話に夢中になっていて写真を忘れました。
熊野古道を歩いていみて
熊野古道を歩いてみて感じたのは、とにかく広いなということ。
今回歩いたルートに関しては、ところどころ民家が出てきたりと抱いていたイメージとは若干異なりましたが、多分吉野側に抜けるルートなんかはもっと山が深いんじゃないでしょうか。京都や鎌倉にも寺社仏閣は多数ありますが、和歌山には真言宗の総本山である高野山もありますし、この一帯が、どデカイ聖域なんだなという印象を持ちました。
そして何よりビックリしたのが外国人が多いということ。
和歌山は行くのがなかなか大変なので、海外行っちゃったほうが行きやすいのも理由としてあるのかもしれません。
翌日は那智の滝に行ってきました。
高低差日本一『那智の滝』へ行ってきた|三重和歌山訪問記
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新情報をお届けします
Twitterでgappackerをフォローしよう!
Follow @gappacker