これってブームじゃないよね?
ICE BUCKET CHALLENGE (氷水を被って難病のALS治療を支援する活動)がFacebookのタイムラインを席巻し、賛否両論沸き起こったと思ったら、早くも沈静化しつつあるんじゃないかと穿った見方をしてしまう昨今、みなさんいかがお過ごしでしょうか?
この活動自体が普及したことで、難病であるALS(筋萎縮性側索硬化症)の認知度が高まったのは事実なので、この運動自体は効果があったと個人的には思っています。
まだしっかりとALSについての情報に触れていない方はこちらで勉強しましょう。
筋萎縮性側索硬化症 – Wikipedia
一方で、この運動が広まれば広まるほど、氷水を被らないと空気を読めないヤツという同調圧力に対しておののき、中には嫌悪感を示した人がいることも理解できます。正義を信じる人の凶暴さと言ったら、平気で人を殺しかねないですし、世の中の戦争の大半はどこかの誰かの唱える正義から始まってると思いますからね。
行動しない傍観者より、行動する偽善者のほうが優れているみたいな話もあるとは思いますが、そのへんは得意な人に任せるとしましょう。
なんとなくイケダハヤトさんが思い浮かんだので、念のため確認してみたら、サラっとスルーしてたんですね。
ALS啓発のアイス・バケツ・チャレンジには参加しません
まぁ、言ってることはもっともだと思います。
ただの流行や一過性のものにしてしまうことこそ悪である。
氷水被ったからクリアとかいう発想になっている人がいるとしたら残念です。
某デザイナーの方から事前にメッセージで「氷水を被りますか?」という大人の気遣いをいただき、丁寧にお断りさせて頂いた僕は、異なるアプローチでこの運動に参加してみます。
言うならばブログチャレンジですね。
僕はALSだけではなく、難病というものがどれだけあるのかすら知りませんでした。
相変わらずの歩く無知の塊であるわけですが、もしこの記事を読んでるあなたもそうであるなら、僕と一緒に少しだけ勉強してみましょう。
ちょっと調べてみたところ、難病情報センターというサイトで臨床調査研究分野の対象疾患として130もの病名が挙がっていました。聞いたことがないものばかりです。おそらくですが、これらの病気は単純に治療が難しいというだけでなく、孤独や無理解との戦いという側面もあるのではないかと思います。ここではその量を体感して欲しいので敢えて羅列してみます。
- 脊髄小脳変性症
- シャイ・ドレーガー症候群
- モヤモヤ病(ウィリス動脈輪閉塞症)
- 正常圧水頭症
- 多発性硬化症
- 重症筋無力症
- ギラン・バレー症候群
- フィッシャー症候群
- 慢性炎症性脱髄性多発神経炎
- 多巣性運動ニューロパチー(ルイス・サムナー症候群)
- 単クローン抗体を伴う末梢神経炎(クロウ・フカセ症候群)
- 筋萎縮性側索硬化症
- 脊髄性筋萎縮症
- 球脊髄性筋萎縮症
- 脊髄空洞症
- パーキンソン病
- ハンチントン病
- 進行性核上性麻痺
- 線条体黒質変性症
- ペルオキシソーム病
- ライソゾーム病
- クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)
- ゲルストマン・ストロイスラー・
- シャインカー病(GSS)
- 致死性家族性不眠症
- 亜急性硬化性全脳炎(SSPE)
- 進行性多巣性白質脳症(PML)
- 後縦靭帯骨化症
- 黄色靭帯骨化症
- 前縦靭帯骨化症
- 広範脊柱管狭窄症
- (1) 結節性多発動脈炎
- (2)顕微鏡的多発血管炎
- 特発性大腿骨頭壊死症
- 特発性ステロイド性骨壊死症
- 網膜色素変性症
- 加齢黄斑変性
- 難治性視神経症
- 突発性難聴
- 特発性両側性感音難聴
- メニエール病
- 遅発性内リンパ水腫
- PRL分泌異常症
- ゴナドトロピン分泌異常症
- ADH分泌異常症
- 中枢性摂食異常症
- 原発性アルドステロン症
- 偽性低アルドステロン症
- グルココルチコイド抵抗症
- 副腎酵素欠損症
- (レックリングハウゼン病)
- 副腎低形成(アジソン病)
- 偽性副甲状腺機能低下症
- ビタミンD受容機構異常症
- TSH受容体異常症
- 甲状腺ホルモン不応症
- 再生不良性貧血
- 溶血性貧血(自己免疫性溶血性貧血・
- 発作性夜間血色素尿症)
- 不応性貧血(骨髄異形成症候群)
- 骨髄線維症
- 特発性血栓症
- 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)
- 特発性血小板減少性紫斑病
- IgA腎症
- 急速進行性糸球体腎炎
- 難治性ネフローゼ症候群
- 多発性嚢胞腎
- 肥大型心筋症
- 特発性拡張型(うっ血型)心筋症
- 拘束型心筋症
- ミトコンドリア病
- Fabry病
- 家族性突然死症候群
- 原発性高脂血症
- 特発性間質性肺炎
- サルコイドーシス
- びまん性汎細気管支炎
- 潰瘍性大腸炎
- クローン病
- 自己免疫性肝炎
- 原発性胆汁性肝硬変
- 劇症肝炎
- 特発性門脈圧亢進症
- 肝外門脈閉塞症
- Budd-Chiari症候群
- 肝内結石症
- 肝内胆管障害
- 膵嚢胞線維症
- 重症急性膵炎
- 慢性膵炎
- アミロイドーシス
- ベーチェット病
- 全身性エリテマトーデス
- 多発性筋炎・皮膚筋炎
- シェーグレン症候群
- 成人スティル病
- 高安病(大動脈炎症候群)
- バージャー病
- 結節性動脈周囲炎
- ウェゲナー肉芽腫症
- アレルギー性肉芽腫性血管炎
- 悪性関節リウマチ
- 側頭動脈炎
- 抗リン脂質抗体症候群
- 強皮症
- 好酸球性筋膜炎
- 硬化性萎縮性苔癬
- 原発性免疫不全症候群
- 若年性肺気腫
- ランゲルハンス細胞組織球症
- 肥満低換気症候群
- 肺胞低換気症候群
- 肺動脈性肺高血圧症
- 慢性血栓塞栓性肺高血圧症
- 混合性結合組織病
- 神経線維腫症Ⅰ型
- 神経線維腫症Ⅱ型
- 結節性硬化症(プリングル病)
- 表皮水疱症
- 膿疱性乾癬
- 天疱瘡
- 大脳皮質基底核変性症
- 重症多形滲出性紅斑(急性期)
- リンパ脈管筋腫症(LAM)
- 進行性骨化性線維異形成症(FOP)
- 色素性乾皮症(XP)
- スモン
- 下垂体機能低下症
- クッシング病
- 先端巨大症
- 原発性側索硬化症
- 有棘赤血球を伴う舞踏病
- HTLV-1関連脊髄症(HAM)
- 先天性魚鱗癬様紅皮症
いくつ知っていたでしょうか?
僕はほとんど聞いたこともないようなものばかりでした。
これだけの量の知らない難病があるわけですね。
しかも、ここで紹介したのは、あくまで臨床調査研究分野の対象疾患なので一部でしょう。
国の取り組み
では、これらの難病に対して、国はどのような取り組みをしているのでしょうか?
国は難病の医療費助成の対象を拡大するために、今年5月に難病医療法を成立させました。
難病医療法の特徴
- 医療費の自己負担を3割から2割に引き下げ
- 軽症患者を対象から外す
- これまで自己負担がゼロだった重症患者にも一定の負担を求める
- 負担額の上限は患者の症状や所得によって異なるが、最高でも月3万円に収まるように変更
- 財源には消費税分を充て、国と都道府県が半分ずつ負担
- 対象疾患は第三者委で決める
- 助成開始は2015年1月から
この助成対象となる疾患は下記が条件となるそうです。
- (1)患者数が人口の0・1%(約12万人)程度以下
- (2)発症の原因が不明
- (3)治療法が未確立
昨日のニュースで報じられていますが、8月27日に110の難病が難病医療法に基づいて医療費が助成される「指定難病」とする案が厚生労働省の有識者検討委員会によって了承しました。今後は一般から意見を募集し、今年10月に正式決定するそうです。ちなみに、この110の指定難病には従来から指定難病だったALSも含まれています。
最後に
僕は氷水を被る代わりに、この運動の本質でもある難病について少しでも理解しようとしているのですが、実際に調べてみると自分が知らなかったということがわかってきます。無知からの脱却という意味では初期段階なのですが、今後、難病に関するニュースを聞いた時のニュースとの距離感は変わるはずです。
募金先などの情報も載せようかと思ったのですが、個人で手に入れられる情報で、特定の団体などがどこまで信用できるかという部分に疑問が残ったので、あえて紹介しないことにしました。
そのかわり国の活動に注目することで、これらの支援が正しく行われればいいと思います。
Ice Bucket Challengeのように誰かを指名することはしませんが、もしこの記事を読んだブロガーの方で賛同される方は勝手にやって下さい。
慈善に基づく支援とはそういうものだと思います。
一つお願いするとすれば、読者の方が難病に対して新たな知識を身につけられる形にしていただければと思います。
参考情報
難病情報センター
[2014/5/23 産経]医療費助成の対象拡大、56→300疾患 難病医療法など2法成立
[2014/8/23 日経]難病患者支援「氷水募金」に冷や水 米、外交官らに禁止令
[2014/8/28 朝日]医療費助成110難病を了承 1月からの第1次実施分
[2014/8/28 産経]110疾患を「指定難病」に 「こんなに早く」驚きも
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