編集とは、企画を立て、人を集め、モノをつくること
著者は雑誌『コンポジット』や『インビテーション』の編集長を務める菅付雅信氏。
池袋西武百貨店のコミュニティカレッジで半年間行われた「編集力講座」の講義録を元に大幅に加筆修正してできたもので、”編集の仕事を志す若い人たちに向けて、日常に溢れていながらもあまり語られることのなかった編集の世界とその手法の魅力を解き明かそうと意図したもの”というのが趣旨であり、編集の入門書として書かれたものです。
本書の構成
全6章と補講という構成で書かれています。
第1章では、編集という行為がどのようにして生まれ、発展してきたかの歴史を駆け足で振り返り、第2章では、企画とは何か、どんなことを意識して考えるといいのかなど、企画を立てる上でのヒントについて書かれています。
編集は言葉、イメージ、デザインという3つの要素によって作られるとし、第3章、第4章、第5章を使い、広告コピーやタイトル、ネーミングなどの『言葉』、『イメージ』の持つ効果や扱い方、そして言葉とイメージをどのように『デザイン』していくのかについて、それぞれ豊富な例をあげながら解説してくれます。
そして第6章では編集の未来について触れ、最後の補講で美しさについて書かれています。
読んだ感想
編集という概念が包括的にまとめてあり、著者の思いが伝わってきて、まるで講義を受けているかのような読み応えのある良書でした。
本書では様々な雑誌などが例として掲載されているのですが、それらの参考資料画像がカラーではなく、小さくて見辛いのを少し不満に感じました。しかし、それ自体も”編集されたもの”も、本書の中で理解した気になるのではなく、ちゃんと手にとって体感してみてほしいというメッセージが込められた編集なのかもしれません。
編集とは紙面の上だけでおこなわれるものではなくなってきています。もし自分がブックカフェをやるとしたら(これも編集行為)、この本は本棚に加えたい1冊ですし、ブログや映像など、なんらかの形で表現したり、情報を発信している人や、エディトリアルデザイン、装丁デザインをやってる人にも読んでほしい本です。
最後に6章で書かれていた一文を引用します。
あなたの人生があなたの最高の編集物なのです。そう胸を張って言えるよう、より良い企画を立て、より良き人を集め、人生をより良く作品化していくことが、この大情報時代=大編集時代を楽しく生きる術ではないかと思います。
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