[書評] 懲役を経てホリエモンはどこへ向かうのか『ゼロ』

2015年1月15日
2017年5月16日
gappacker
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ゼロ

出所後のホリエ本

IT業界の風雲児として一斉を風靡したホリエモンこと堀江貴文。
有価証券報告書の虚偽記載、偽計取引・風説の流布という罪で懲役2年6ヶ月の実刑判決を受けた。
そんなホリエモンが出所してから出した本「ゼロ」を読んでみました。

読んだ感想

彼が逮捕されるまでの時期、多くの若い人達がホリエモンに熱狂していた。僕は性格的に誰かの熱狂的なファンになることがなく、ホリエモンに関しても、特に憧れたわけではないのだけど、それでも彼が近鉄買収に名乗りをあげた時などは、世代交代を進めようとする動きや、何かをやってくれそうという部分には一定の期待を持っていたように思う。

正直言って、彼が優秀である事は間違いないのだけれど、その物言いや普段の態度、教養を感じさせないところがあまり好きではなかった。しかし、僕は同時に、そんな彼を一斉に持ち上げたり、叩いたりするメディアや大人達に対する嫌悪感のほうが勝っていたという理由により「敵の敵は味方」的な発想によるホリエモン支持派だったとも言えるのだ。

彼の本は「稼ぐが勝ち」を始め、過去に数冊は読んだものの、内容も覚えていない。
そして本書は、それ以来の彼の著書である。

読んでみて感じたのは、とても素直に書かれていること。
面白く読めた。

例え、ブックライターがいて、その言葉自体の角がとれているとしても、そのスタンスが素直なのである。
いちいち毒づくこともなく、育った家庭環境や、過去の出来事、自らのコンプレックスについて淡々と書かれている。

刑期を終え、スッキリした出で立ちで戻って来たホリエモンだったが、本の中身もあわせてデトックスされた感じだろうか。同じ九州出身の起業家、家入り一真氏の「こんな僕でも社長になれた」も思い出した。

で、今になって思えば、僕があまり好きになれなかったホリエモンに感じていた要素はきっと寂しさの裏返しだったんだろうということ。

今でもツイッターなどでは以前と変わらず、相変わらずの物言いもあるようですが、読後は同じ言葉でも以前とは違って見えるのかもしれません。弱さをさらけ出したホリエモンは昔よりももっと魅力が増し、これからまたいろいろな事に挑戦するんだと思うと、これからが楽しみにもなるのでした。

宇宙、行くんですかね?

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