ヒッチハイクで朝霧JAMに行ってきた

2011年10月12日
2017年1月2日
gappacker
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camp in asagiri jam

ヒッチハイクしてますかー?
ヒッチが出来れば何処でもいける。

先週末、ヒッチハイクで朝霧JAMという朝霧高原で行われた野外フェスに行って来ました。

実はこれまで野外フェスとか、めんどくせぇとか食わず嫌いしてたんですね。

都内でいいじゃん。なんでわざわざ遠くまで行く必要あるの?
みたいな感じに思ってた訳です。

スイマセンでした。
私が間違ってました。
1人で行ったにも関わらず、めっちゃ楽しんで来ちゃいました。

えっ、1人で行ったの?

とか引かないでくださいね。

オトコにはロマンがあるんですよ、お嬢さん。

まぁ、なんで1人で行ったかというと、
Twitterで知り合って仲良くさせて頂いている「No Music, No Life , Close Your Eyes and Kiss My Ass」(後半間違えてますね。)なナイスミドルな歌のお兄さんことイッチーさん(@cybeck)がチケット取ってたけど都合が悪くなったので行かない?とのオファーくれたんですね。

で、二枚あったんですが会場となる場所は車じゃないと行きにくい場所。
しかもキャンプなので、テントなどの装備も必要。
イベントまでは5日。

この条件で誘う奴が誰も思いつかない。。

数人声かけた他にTwitterとFacebookでも呼びかけてみたけど、「行けないし、お前となんか誰が行くかボケぇ。」という事で誰も反応せず。

世の中って怖いですね。

危うくリストカット症候群になるところでした。
プラスチックの定規で何度も手首をなぞりました。
ネクタイをきつめに締めて「ゲホッゲホッ」
そして涙でまくらを濡らし、傷ついた体揺らしながら、ドイターの寝袋をさすっていたら閃きましたよ。

「ひとりでできるもん」

まぁ、1人で行っても淋しいだろうなぁと思いつつ
9月に2回あった三連休は遠出できなかったことや、
行動すると何らかの形でリターンを得られる気がしていたので、
他にチケット譲る人が見つからなければ、1人ヒッチハイクで行ってみようと思ったわけです。

実は過去2回のヒッチハイク旅 (1回目は博多、2回目は新潟、金沢)を通して、
1人用のテントあれば旅の可能性が広がると思って1人用の激安テントは購入済みでした。
チャンスは準備をしてないとやって来ないってのはコレですね。

現地までの交通手段はヒッチハイク、テントはソロテントということで1人でなら行ける。
そんなわけで地図を見だすと自然と高ぶってきます。
アルミホイルに反応する初期段階のジャンキーのようです。

この記事はイッチーさんからチケットを譲っていただき
朝霧JAMにヒッチハイクで行ってきましたよというお話なわけです。(前置き長っ!)

ここから本編。

スタート地点は過去2回と同じく由比ヶ浜海岸。
もはや安心感がある上に高ぶる何かすらありますね。
そのうち由比ケ浜海岸に来る度に、脳内でなんか出ますね。
これ、成分分析したら、成田空港出発ロビーに着いた時に脳内で出てるヤツと同じヤツですね、たぶん。

今回は出発前に目的地まで全て下道で向かう事に決めてました。

高速を利用するとサービスエリアで降ろしてもらいながら移動する事になるので
1回の移動距離と時間はかせげるのだけど、場所を間違えると3時間とか車が掴まらないことあるんですね。

ハイリスクハイリターンというか、軌道修正が難しいわけです。
今回はイベントがあるから間に合わないと意味がないわけで、目的地と希望到着時間がある。
そこが過去2回の「行けたらいいな、どこまでいけるかな。」っていうヒッチハイクとは違うわけです。

なので今回は国道1号沿いで富士の辺りまで行って、それから北上しようと考えてました。
まぁ、運転せずに、乗っけてもらう身ですが。。f^_^;)

11時にヒッチハイク開始。
最初に止まってくれたのは杉並区からドライブに来てたピースなオーラが出すぎちゃってるくらいの仲の良い大学生カップル。

元気いっぱいという感じのお二人でしたが、何となく育ちの良い感じがしました。

目的地は特にないと言われたので、海沿い走りながら「茅ヶ崎とかで降ろして貰ってもいいですか?」
と茅ヶ崎方面に向かってる途中で、家電屋さんに行きたいということになり
茅ヶ崎の電気屋さんに向かいがてら、国道一号沿いで降ろしてもらいました。

で、すぐにヒッチハイクを再開すると、10分くらいで車が止まってくれました。
サングラスかけてる少し悪そうなお兄ちゃんという感じ。
仕事中で会社に戻る途中だったけど面白そうなので逆方面なのに戻って来てくれたとか。
話していると昔のバイク仲間の後輩と仲がいいということで共通の知り合いが他にもいる感じ。
まぁ、神奈川の湘南エリアということで繋がるもんですね。
大磯のコンビニまで乗っけてってくれました。感謝。

コンビニで降ろしてもらった後、すぐにヒッチハイク再開。
次に止まってくれたのは保険の外交員のおじさん。
これまで何度かヒッチハイカーを乗せた事があるとのこと。
好奇心が旺盛な方でした。
先のルートを考慮してくれて、小田原の箱根新道入り口近くで降ろしてもらいました。

つぎに止まってくれたのが母親と同い年くらいのおばちゃんで孫二人を乗せた車。
孫の運動会に行った後、孫を連れて三島のほうの実家に変える途中だったらしい。
あなたみたいな生き方も良いわねー。いろんな生き方があるわよね。
みたいなオープンマインドな気持ちのよいおばちゃんでした。

毎回そうだけど、ヒッチハイクしてて乗せてくれる人は皆、好奇心が旺盛で
変に偏見を持っていないオープンマインドな人が多い。
だから会話していても気持ちがいい。
これもヒッチハイクの楽しみの一つですね。(^ ^)

箱根の山を下り終わる辺りの分岐でおばちゃん達は違う方角に行くとのことで
分岐前の車が止まるスペースのある場所で降ろしてもらう。

降ろしてもらった場所ですぐにヒッチハイクを再開。
ところがこの場所は下りでスピードが出ていて、カーブの直後だからこちらに気づきづらいためか、中々止まってもらえない。

賭けに出て数キロ歩いて移動しようと歩き出して暫くしたら、バンがスピードを緩めて止まってくれた。
走って近寄ってみると3人組の歳格好の近い人達でこれからキャンプにいくとのこと。
イベントのことも知っていて、自分たちの目的地よりも結構先まで乗っけてってくれて、
しかも次の車がすぐに見つかるといいねと応援までしてもらいました。
やはりピースな人が多いです。涙チョチョぎれました。(古いですかね?)

で、またコンビニで降ろしてもらいヒッチハイクすることしばらく。

。。。。。。

あれ?止まってくれない。。
ゴールまであと30kmくらいなのに。

時間はすでに17時を回っていて、ときおり吹く風も少し冷たくなって来た。
こういう時間帯って嫌な予感が脳裏をよぎりますね。
そんな流れを断ち切るようにiPhoneで地図を見ながら考える。

で、1キロほど先の別のコンビニ前に場所を移す事にした。
こちらのポイントのほうが目的地方面に流れる車の量が多いだろうという推測でね。

当然といえば当然なんだけど一本通りを越えただけで車の流れって全然違ったりするんですよね。
で、そちらに移動してから10分程して一台の車が止まってくれました。
若めの男の子二人、恐らく20代前半です。

「どこまで行くんですか?」と少し遠めに止まった車内から話しかけてくる。
「とりあえず富士宮まで行きたいんですよね。」
「僕たち富士宮戻るんですよ」
「乗せてってもらっていいですか?」

という流れで乗せてもらいました。

短髪の運転しているほうと長髪でビジュアル系が好きそうな助手席の子。
乗せてもらっておいて何ですが良くわからないテンションで、あまり会話も弾まない。。
二人の世界があるというか笑いのツボがわからず、正直とまどってしまいましたよ。
長「髪切りてぇなー」短「切ればいいじゃねえかよ」長「でへへへへ」
俺「。。。。」

みたいな「内容がないよう」ってダジャレを言いたくなるような空気の中、
三十数年来蓄えたいくつかのコミュニケーションパターンを繰り出すも不発に終わり、耐えること50分ほど。
ちゃっかり朝霧アリーナのチケット引き換え場まで乗っけてって貰っちゃいました。
あの子達、よく俺の事乗っけたな。とか思いながらもリストバンドもらって早足になる。

会場のほうへ向かおうとしたらすでに真っ暗で何も見えん。

そりゃそうね、街灯とか何もないし。
数ヶ月前に購入してあったLEDランタンをバックパックから取り出す。
「LEDランタ〜ン」 とドラえもん的な感じになりそうだったけど
確実にナニかやってる人だと思われそうだったので、ここはクールにいきましたョ。

イッチーさんにオススメされていたROVOを見ない訳には行かない。
そう思い、早歩きで着いたのは別のステージ。
あれ?こっちじゃねーじゃん。
バックパック背負ったまんまステージ間の民族大移動にまじって別のステージへ。
おぉー、すげーテントの数じゃないか。

ステージではすでにROVOが出てるんだけど、すでに暗いし、テント張らなきゃ。
歩き回るもテント張るスペースが開いてない。

オー・マイ・ブッダ \(´Д` )/

このままじゃヤバい。ってことでかなり強引にテントとテントの間に強引に設営しちゃいました。
隣の方、ゴメンナサイ。
バイタルエリアに進入しました。

だって、場所がないんだもの。。

で、ROVOやってる間は実は着いたばかりでテント張ったりしてて
集中して見れたの最後のほうだけなのね。(^^;;

ステージ前の密集地帯から少し離れたところで、とりあえずお酒を買って、異空間に自分をあわせるように ROVOを聴いてました。

あっと言う間に終わってしまったので、さっき間違えて行ってしまった別のステージに向かう。

何か好きな感じの音が流れていて、自然とステージ前まで引き寄せられる。
おぉ、気持ちいぃ。
この開放感 と体をつきぬけていく爆音。
そっかこれが野外フェスか。
今までの食わず嫌いはホントに食わず嫌いだったと改めて思う。

Joker、全然知らなかったけど、気持ちよくしてもらった。 後でCD買おう。(まだ発売してなかった)

で、DJ Shadowを観にまた移動。
なんかステージ上の中央、本来であればDJがいるべき場所に直径3m位の球体が浮いてる。

その後ろにも巨大なスクリーンがある。

音は鳴り出したけど、いつまでたってもShadowが出てこない。 音にあわせてプロジェクションが投影されるんだけど、それが球体にいろんなものを投影してる。

スターウォーズのデススターになったかと思えば、眼球になったり、血のような液体の入ったガラスの器みたいになったり、マトリックス的な電子回路に光が走ってくみたいな映像流れたりとにかくブッとんでるのね。
後ろの巨大なスクリーンにチェーンソーが出てきて動き出したかと思えば球体に対して斜めの角度になって、切り込みだしたら、球体に切れ目が入っていくという立体的な演出では歓声が起きるほど。

このままShadowが出てこなくても、これはこれでアリだな思ってしまうほどひとつの映像作品になっていた。

で、一旦音が止まったと思ったら、球体の上部から手だけが出てきて、みんなに手を振る。

そこにいたのか、Shadow!

でも、まだ出てこない。
そのまま音が鳴りだす。
あれ、なに、やっぱりこのまま最後までいっちゃうわけ?

多分、そこにいた多くの人が、そう思い出した頃、球体が回り出してDJセットごと中に収まってたShadowが登場。歓声が湧く。

この人の場合、ステージを完全にショーとして作り上げてるのね。視覚まで含めてトータルで皆をトバしてやるって気概を感じる。

途中で挨拶して、今日は昔の曲もやるよって言ってて、昔のアルバムの曲も数曲流してた。

Shadowは最後のステージだったので終了後、懲りずにまた別のエリアに向かう。
こっちのほうがお店が多いのね。

倍音楽器を観ながら木製のパチカを購入する。2個で1500円。

さらりとお店を観終わると、富士宮焼きそば喰ってかなり強引に設営したテントに潜り込む。
ソロテントはメチャクチャ狭いのでバックパックを枕にして就寝。

camp in asagiri jam

「わぁー、きれーい!」

ザワザワとした宛先不明の音の群れの中から
初めて飛び込んできた感情を伴った肉声で目が覚めた。

目の前20cmの距離にオレンジ色の世界が拡がる。

「? 」

あ、 テントか。俺は朝霧に来てるんだった。
昨日を高速で巻き戻しながらも、数十秒前の女性の声が朝日に対するものであることがテント越しでもわかるほどの快晴であった。

身体中のいろんなところに、疲労からくる軽い痛みを感じながらも、棺桶の様なソロテントに文字通りミイラの様に寝袋に包まった状態から脱出することにした。

勢いよく起きようにも、狭くてモゾモゾ寝袋をズラすしかない。完全に脱皮である。
自然の中に作られたオレンジ色の巣から、今一匹の雄が脱皮をして外界に出ようとしている。

感動の瞬間、ではない。

多くの感動の瞬間には隠れた地味な作業があるのだと、くだらない体験を通して考えながら、引き続きモゾモゾする。

テントには結露した水滴が着いており、狭い巣の中での脱皮時に沢山の水滴が落ちてくる。

あーこれ、かなり快適性を犠牲にしてるのね。
己のテントのスペックの低さを痛感しながら水滴が落ちてくる中、なんとか外に出る。

Rebirth

朝日を背に浮かび上がる富士のシルエットをしばし眺める。

気持ちいぃー。

が、寒い。

枕にしてたバックパックからフリースとパタゴニアの薄手のジャケットを引っ張り出すと郷ひろみバリに素早く着込み、軽く散歩しながら、昨日は暗くて見えなかった周囲の環境を確認するように見渡す。

夜でもテントの数はスゴいと思ったが、明るい時間にみるとカラフルで、夜とは異なる印象である。

まだ、パラパラと人が出てる位で、同じように太陽の恵みを使ってエネルギーを蓄えようとしてる人達がいる。
人間だってソーラーパネルみたいなもんだよね。
心のメーターが満たされていくのを感じながらそんなことを考える。

お店の7割くらいは既に準備万端という感じだったので、とりあえずコーヒーでも飲むことにする。

地鶏のサンドウィッチとベークドチーズケーキ、コーヒーを買って、まだ昨晩の火が燻っているキャンプファイヤーの周りに腰掛けて朝食を食べる。

GO OUTとかの雑誌に載ってるような格好の人を沢山見かける。

ガチガチの新しい装備で固めた男の子。
わかるよ。「モテたい」 んだよな。

まぁ、本格的なキャンパーは数少ないであろうし、イベント自体がファッショナブルな要素もあるってことだよね。
悪そうなオラオラ系は見当たらないし、小さい子供を連れて来ている若い夫婦も結構見かける。

朝食を済ませ、キャンプ内を散策することにした。何処の国の何処の街に行っても、とにかく俺は歩き回る。

人も歩けば、気づきや感動にあたる。

様々な色や形のテントを参考に観ながら、自分のスタイルに適しているテントの形状やスペックを考えたりする。
今のテントの問題点は過酷な環境では耐えられないこと。春秋のシーズンに限られる他、少し高度のある場所では厳しい。
収納時のサイズは小さいほうだが、代わりに居住性を著しく犠牲にしている。

買う買わないは別として、こういう優先順位や効率的な最小スペックを考えたりするのは嫌いではない。
後でゆっくり調べよう。

一番奥まった位置にあるカーニバルスターは少し開けていて
ここからの富士山のシルエットはとてもキレイだった。

皆、起き出したり、オートキャンプならではの豪華な装備で朝食の準備をしたりしている。
食事を提供していないお店の人達は丁度準備をしはじめているところだった。

一通り散歩していると太陽が本気だしてきたので、徐々に暑くなってきた。
ジャケットを脱いでテントに置きに戻る。

寝袋を片付けていると、メインステージでラジオ体操が始まるとのこと。

いつの間にかテントサイト以外のスペースに人が沢山溢れている。
ステージ上のどなたかは存じ上げないが、たぶん朝霧JAMにおける重要な存在であるらしい人が話している。

震災の話や、朝霧を切り開いた開拓者の話などをしていた。

そして話が終わると久しぶりに聞くあのイントロ。
「ラジオたいそ〜だいいち〜」

ヤバい、なんかアガる。笑

そしてそこにいた何百人の老若男女が一斉に深呼吸を始める。

マスゲームのように一糸乱れぬとはいかないが、色とりどりの異なる格好で大勢がステージの方を向き、同じ動きをする。圧巻である。

そして上下の運動と手の動きが連動する一つ目の動きで
その場にいた全員が一体となり、それを見て自然とどよめきが起き、笑いに変わる。

皆、蔓延の笑みでラジオ体操をしている。

ある意味、異様ではある。
映像にしたらどこかの赤い国が描かせるプロパガンダよりもそれっぽいかもしれない。

そして屈伸からの伸びでは、うめき声が高原を支配し、またもや笑いに包まれる。

なんて穏やかで気持ちのよい朝なんだろう。。

最高に気持ちのよい朝だった。平和だった。
そこには、憎しみも、わだかまりも、恨みも、妬みも、やっかみもなかった。
あらゆる不安やネガティブな感情から心を洗われる瞬間だった。

しばらくすると和太鼓のグループの演奏がはじまり、子供の微笑ましい挨拶にみんなが和んでいる。
天気もよく気持ちが良かったので寝転びながら音を聞いたり、ステージ間を移動しながら、なんか食べたり飲んだり、寝っ転がったりアサラト振りまくったりしながら過ごしていたら、いつの間にか少し肌寒くなって来た。
DEGOが終わったところででテントをたたみに戻り,SEUN KUTI & EGYPT 80を遠めに見ながらテントを撤収する。
帰り支度をしている人も多く、シャトルバスを待っている人の列も出来ている。

移動はヒッチハイクなので最後までいると拾えなくなる可能性が高い。
もうすぐ18:00というところで荷物をまとめ、とりあえずスタッフに南に向かうシャトルバスがあるか聞いてみた。
自信満々に教えられた通りに乗り込んだバスは思いっきり北の駐車場へ。

海外だとよくあるけど、日本でここまで完璧に間違った情報教えられることってあんまりないよな。
と降りたところで近くにコンビニがあると聞いたのでそこまで歩く。

コンビニには朝霧JAM帰りの人間とおぼしき人達が沢山いた。
暗い道沿いで数少ない明るいポイントなのでここで車を拾う事にする。
掴まらなくても最悪、コンビニがある。

あまり分岐のない長い幹線道路なので親指に賭ける。
灯がともりそうな程親指に念を送りながら、待つ事30分以上。
交通量のわりになかなか止まってもらえない。
しかも、車があまり途切れず、腕を上げっぱなしにしているため、相当肩の周りが痛くなってきている。

すると反対車線の暗い車道脇を歩いていた人が声をかけて来てくれた。
「どこまで行くの?」
「とりあえず富士宮まで行きたいです。」

と聞こえづらかったため、こっちに渡って来てくれた。
「東名乗って大井松田までは行くけど、最終的にどこまで行くの?」
「鎌倉に帰ります。」
「あ、一緒にきた先輩が国府津だから国府津までは行くよ。」
「途中まで乗せてもらってもいいですか?」
「いいよ、荷物それだけ?」俺のバックパックを見ながら確認。
「はい」
「じゃあ、駐車場まで歩ける?」
「はい」

そう言ってから
「あ、知り合いにイベント用の機材貸してるんだけど、そいつ鎌倉でイベントやってるんだわ。明日の約束だったけど今日取りに行っちゃおうかな。」
とその場で電話をしだしてくれて、知り合いは撤収し、茅ヶ崎にいるとのことで茅ヶ崎まで行ってくれる事に。

乗っけてくれたノリオさんはPAをやってるそうで、朝霧は先輩と遊びに来たらしい。

いろいろと話をしながら車は東名に乗り、渋滞にハマる前に御殿場で降りて下道で移動。
途中から強い雨が振り出したので、拾ってもらえてホントに助かった。
西湘バイパスから海岸線を走り、もうすぐ茅ヶ崎という辺りで「このまま鎌倉まで行っちゃう?」
と言ってくれてなんと鎌倉まで行ってくれることに。
往復で1時間ぐらいの距離をさらに走らせてくれて、ホントに助かりました。

家の近所のコンビニで降ろしてもらい、傘持ってっていいよ。
と傘を頂き、さらに実家が農家ということでキャンプに持って来ていた新米をきちんとした小分け用の紙製の米袋にいっぱい詰めてくれ、頂いた。

なんと言って良いか、感謝しまくりである。

コンビニから家まで充実していた二日間を思い返しながら歩き、玄関ドアを開けた。

さて、次はどこに行こう。

ヒッチハイクマニュアル

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