[書評] 文章を書くのが楽になる、心構えの文章本『文章は「書く前」に8割決まる』

2014年1月31日
2017年5月16日
gappacker
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文章は「書く前」に8割決まる

多くのベストセラーに携わった著書による文章論

僕はこうしてブログを書いているにも関わらず、文章を書くことに昔から苦手意識をもっています。

子供の時から、宿題の作文などはいかにして文字数を稼ぎ、原稿用紙を埋めるかということばかり考えていましたし、今もうまくブログ記事が完成せず、結局未公開のままお蔵入りになることもあります。

そんな苦手意識もあって、人一倍、文章本には関心があったりするわけです。
ところが、その手の本を読んでみると、すぐに身に付くようなものではなかったり、はたまた小手先のテクニックであったりのどちらかになっていたりします。

この本では数多くのベストセラーに携わってきた著者による、良い意味で力の抜けた文章論です。
伝えることや、読み手について想像することなど、書く前に意識すべきことが、いかに大事かを説いています。
文章に正解はない、自分の100点(参考にしたい文章)を見つけ、それに近づくように頑張ればいい。

週刊誌を文章の参考に

本書内で文章の参考にすべき本として、AERAなどの週刊誌を参考にする、という部分には驚くと同時に、説得力があり、納得できました。

ブログを書く際や、仕事で使う文章において必要なのは伝えたい相手に、伝えたい内容を伝えることだと思います。
読者ターゲットの定まっている週刊誌における記事の伝え方は、過度に装飾されることなく、無駄のない読みやすい文章であることが多い。ゴシップ系満載の週刊誌などでは煽り癖がついてしまいそうですが、AERAあたりであれば、そういう問題もなさそうです。(※記事内のスタンスは別の話です)

考えてみれば英語の文章をうまく書けるようになるために、NewsWeekやTimeを参考にするのと同じことなんでしょうが、母国語というフィルターがかかっているためか、週刊誌を文章の参考にするという発想は全くありませんでした。

僕は熱心な読書家とは言えませんが、読むという行為において、活字に対する苦手意識はありません。
本の種類によって読み方を変えるくらいの読書の作法は身につけていたつもりなのですが、ひょっとしたら、どこかで週刊誌を軽んじていたのかもしれません。週刊誌は情報に対して受動的になりやすい性質があることもあり、それほど読まないのですが、読む時に、”文章”を意識しているとは思えません。
それは作家や著者としての認識を持ちづらいという側面もあるのかもしれません。

もちろん、心震わせる希望のつまった言葉を綴り、絶望の淵にいる誰かを立ち上がらせたり、民衆を奮い立たせるメッセージで世の中の動かす、といった力が文章にはあると思っています。
しかし、そこを目指すのは、文章の基礎力がついてからでも遅くはない筈です。

まとめ

本書は文章を書くうえでの心構えを中心にした本ですが、意識した方が良い基本的なテクニックなども一部紹介されています。
新たな視点や発想を与えてくれる本は素晴らしい本だと思います。
書くことに対する気持ちを楽にしてくれる、僕にとっては良い本でした。

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