[映画] マフィア界で裸一貫、叩き上げで頭角を現した日系人ドキュメンタリー『TOKYO JOE マフィアを売った男』

2014年4月25日
2017年5月16日
gappacker
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マフィアの世界で出世した唯一の日系人

かつてシカゴマフィアで頭角をあらわした、TOKYO JOEと呼ばれた日系人がいました。

この映画は、トーキョー・ジョーことケン・エトーの生い立ちから終焉までを、FBI捜査官や実弟、息子、そして当時の彼のもとで働いていた人物などの話から、多面的に迫ったドキュメンタリー映画です。

TOKYO JOEはどのようにして生まれたのか

宣教師としてアメリカに移住した父親のもとでカリフォルニア州ストックトンに生まれたケン・エトー。父親は狂信的で、母親はいつも鬱状態という環境の中で育ち、弟の話では幼少期は毎日のようにケンカをしていたのだとか。
14歳で家を出てからは、いかさま賭博をしながら生活していて、第二次大戦時は強制収容所に入れられたが、そこでもカードの腕を磨いていたらしい。この映画の中では触れられていませんでしたが、どうやら軍隊にも入り戦地にも赴いているらしく、相当タフな環境で育っています。

終戦後、シカゴに向かった彼は、持ち前の頭の良さとカードの腕を活かし、カジノ経営などで裏社会で頭角を現し、徐々に勢力を伸ばしていった。裏社会で裸一貫、叩き上げの日系アウトローといった感じでしょうか。

FBI捜査官による逮捕

1982年に不法賭博の手入れでFBIに逮捕される。保釈中にマフィアのボスに呼び出され、頭部に3発の銃弾を受けるものも、奇跡的に命をとりとめた。なんと血だらけのまま、自らファーマシーに駆け込んだらしい。恐るべき、生命力です。映画内では肉声が聞けるのだけど、自分を撃った人間の逃走経路を推測し、なんと違う経路で移動したという。頭に3発銃弾受けて血だらけの状態で、ホントにそんなに冷静だったんだろうか。

エトー先輩、マジハンパないっす。

自分を裏切った組織にたいする復讐

彼は仲間であるマフィアに頭部を銃撃されたものの奇跡的に命をとりとめ、自らを裏切った組織に復習するため、FBIに協力し、その証言から、マフィアのビジネスモデルなどが明るみに出て、大物マフィアの逮捕に繋がったらしい。

こう聞くとただの裏切り者のようだけど、映画を観ると、実際はかなり仁義に厚い人物だったように感じると思います。

危険だけど、どこか魅力的に見えてしまう人間性

彼は、一度証言した内容は、決して覆すことがなかったそうです。これはかなり珍しいことのようで、頭脳明晰かつ、二言のない漢といった感じだったのかもしれませんね。マフィア映画を観ているとわかるようにマフィアの世界ではイタリア人でないと出世できなかったり、シチリア島出身じゃないと出世できないといったしきたりがあることを考えると、彼には相当な人間力があったんだろうと思います。

僕はヤクザにもマフィアにもなりたいとも、なれるとも思っていません。
だからこそ、こういうドキュメンタリーを観ることで、その世界を断片的にでも知ることで、好奇心が満たされます。
覚悟なしで興味本位で踏み込める場所ではないですからね。

アメリカのマフィア社会における日系人、しかも第二次大戦前後という一番風当たりの強いアウェイという言葉どころじゃない時代に成り上がった人物です。そんな人物について少しは興味が湧いてきませんか?

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