四国ヒッチハイク日記6日目の夜。なんとか乗り継いで兵庫まで。

2012年5月19日
2016年3月30日
gappacker
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

四国ヒッチハイク日記6日目。大麻比古神社から金比羅山へ。の続きです。

うどんを食べ終わり車を拾いだした時、時刻はすでに18時を回っていた。

瀬戸大橋を渡り、岡山方面に行く車を拾うため、車通りの多い場所で岡山と書いて待つ。
最初こそ車の流れは多かったのだが、次第に車は減っていく。

あれ?やっちまったか。。

日帰りで来てる車のピークが恐らく17時くらいから18時くらいだったのだと思う。
お店はどんどん締まり、車は減っていく。

ここは、早めに動いたほうがいい。(既に遅いんだけどね。)

数キロ歩くのは覚悟の上で親指を上げながら移動を開始する。
地図によると数キロ北上すれば県道と合流する地点がある。
そこまで行けば、多少は車の数は増えるだろう。
ホテルや旅館が立ち並ぶ商店街を抜けると急に通りが寂しくなる。

途中でカップルの車が1台止まってくれたが、話すと高松のほうへ行くとのこと。
時間に余裕があれば高松に行っても良かったのだけれど、今回はパス。
お礼を言って別れる。

しばらく歩いて目当ての合流地点に着いた。
しかし、暗い。
そろどころかスピードが出ている線路沿いの片道1車線のため、止まってもらうことが困難。

ここじゃ厳しいな。

そう判断して、さらに数キロ歩くことを決めるがなんせ暗い。
一定間隔ごとにあるオレンジ色の街灯、そして時折走りさる電車内からこぼれる光が線路沿いの暗い夜道を歩くバックパッカーを照らす。
これはイカン。どう考えても「乗せたくない。」

なんとかして明るいところに行かなくては。
自転車と1回だけすれ違ったが、歩いているのは自分だけ。
ひたすら北上する。
道路沿いには田んぼか、人気のない2〜3階建てくらいの会社ビルなどがある。
休みでなければ仕事帰りの人とかもいるのかもしれないが、今はゴールデンウィークまっただ中、サービス業以外で稼働している会社は稀だろう。

しばらくして反対車線側に広めの駐車場のあるローソンが。
おぉ、オアシス発見。

進む先に見える暗闇の中、浮かぶ信号機をみて思う。
ここで拾うほうが得策だろう。ここならなんとかなるかもしれない。

ひとまずコンビニに行き、飲みものを買って仕切り直し。
コンビニがあることで少し車のスピードが下がるし、コンビニに入る人も一応コチラを認識してくれる。
どれくらい立ってたんだろうか。

逆方向から来た車から声をかけられ、車がコンビニに入っていくので自分もそちらに向かう。
若い男の子達3人組。

聞くと工業高校の同級生で、それぞれ機械整備とかそっち方面の仕事をしているそう。
今は休みで広島に近い岡山の西の方から遊びに来ていたそうだ。

実は一旦通り過ぎてから車を止め、寝ていた一人を起こし、小さい会議を開いてくれたらしい。(笑)
こういう話を聞くと嬉しくなる。

とりあえず本州側に渡るということで東西に分岐する前の最初のSAである鴻ノ池SAまで乗せてってもらうことに。
若い男の子のグループに乗せてもらうと大抵楽しい。

そして楽しむと同時に、おこがましいことではあるのだけれど、若い男の子達に乗せてもらった時には、何かに気づいてもらいたいと思っている。

それは自分という少し変わった存在自体を通してでもいいし、会話の中で何らかの気付きがあればそれでもいい。
自分は20代前半の時に人生に迷い苦しんだ時期があるから、余計にそう思うのかもしれない。

彼らとは仕事のことや、仕事を止めたばかりであること、その理由や、今後のことなどを話した。
設備的に少し心もとない鴻ノ池SAで降ろすことを少し心配してもらいながら彼らとは別れた。

先ほどの香川の暗い場所に比べれば、鴻ノ池SAは規模は小さいものの幾分マシに思えた。
テーブルと椅子のあるフードコートもあるし何とかなるだろう。
そう思ってiPhoneを充電していたらなんとフードコートは21時で閉まってしまうとのこと。
えっ、ってことは閉まったら朝まで外にいるってことか。

さすがにそれはチト辛い。
すぐにヒッチハイクを再開する。
とりあえず東のほうへ向かいたかったので、行きにボードに書いてあった「神戸」を再利用する。

トイレに行く人と自販機で飲み物を買っている人の両方からボードが見える位置で待つ。
30分も経ったころだろうかトイレに行く途中で「ヒッチハイクですか?大変ですね。」
と話しかけてくれた人がいたので、話してみると神戸には行かないけど、吉備SAまでだったら乗せてってくれるとのこと。
鴻ノ池SAは東西に分岐する前のSAなので、東に分岐した後のSAで降ろしてもらえるのはその後の展開を考えるとありがたい。
しかも吉備SAは設備が充実していた筈。

乗せてくれたのは恐らく同じ世代の方で医薬品の営業職をしているらしい。
病院をまわり、薬を使ってもらえるようにお医者さんに働きかける仕事である。

この方にはもし仕事探しているのであれば、やらないかと誘われる。
ヒッチハイクして乗せてもらった後、なぜか仕事に誘われることが何度かあった。

これはたまたま人を探している人が乗せてくれていることが多いのか。
ヒッチハイクする能力というか根性というか特性が仕事に役立つと思われてのことなのか。
流れ者で仕事を探してると思われてるのか。
話をした上で、何かを感じ取ってのことなのか。

正直わからないのだけれど、何だか不思議である。

吉備SAまではそれほど距離がなかったので、ワリとあっさり着く。
お礼を言って別れたのは22:00過ぎ。
規模が大きいせいか、ここは時間の割にアクティブユーザーが多いので、もう一回くらい行けそうな気がする。
ヒッチハイクは何しろ時間が読めないので、可能であれば大阪くらいまでは行きたい。
そう思ってヒッチハイクを再開する。

15分くらいした後だったと思う。
1人の男の子が話しかけて来てくれた。

「ヒッチハイクしてるんですか?」
遠慮がちな彼の後ろには元気そうな男の子達が、罰ゲームで告白しに行くことになったヤツを見守るような温かい視線を送っている。(ように思えた。)
話してみると彼はバックパッカーをしたいとのことで今度タイに行くらしい。

で、姫路のほうへ行くので途中まで乗せてってくれるということに。
荷物を後ろに載せて、大きなワゴンの助手席に座らせてもらい、楽しく過ごした。
「みんなでヒッチハイクしようぜ。」
「俺は無理だよー」
「○○は金に物言わせて行きそうだな。」
とか会話は途切れることなく盛り上がり続ける。

若いってのはそれだけで最高だ。

歳をとることで得るものは当然ある。
ただ、同時に失ってしまうものもある。

大事なモノを忘れないようにしていても、時間は過ぎるし、環境は変わってしまう。

彼らには最高にバカバカしく、楽しく時間を共有して欲しい。
それが後で振り返った時の青春てヤツだ。

いつか彼らが昔話をした時に出てくる、ヒッチハイカーとして記憶に残ってればいいと思う。
楽しい時間を過ごしながら、高速を降りる手前のSAである龍野西SAで降ろしてもらう。

時刻は0時を過ぎていたけれど、楽しく過ごして体力も回復できた。
もう少しだけ頑張ってみて、ダメならここで夜を越そうと考えていた。

10分程した後だったか、めちゃめちゃイカつい人が話しかけて来た。

思わず、「あっ、俺ラチられて、埋められる。」って思ったもんね。笑
よく考えたらさっきから近くにウロウロしてたんだよね、このイカつい人。

で、なんか怒ってるみたいな表情と乱暴な口調なんだけど、話してるとどうやら乗せてってくれるらしい。
車を見るとでっかいワゴンで助手席にやっぱり少し元ヤンぽい奥様の姿が。
で、車に近づくとスヤスヤと眠るお子さんが二人見える。

荷物を後ろに載せ、子供達を起こさないように最後部の座席に乗り込み出発。
ガタイがいいし、見た目もイカついし、岡山弁がスゴい乱暴に聞こえるんだけど、話してるとチョーいいパパ。(笑)

膝を怪我するまでは相撲部屋にいたらしく、それから調理人になり、今は配管工だとか。
下積みも相撲部屋に比べたらなんてことないし、子供達をみたら苦労だなんて何一つ思わないと言っていた。

なんだよ、この人メチャクチャかっこいいじゃないか。
最初は恐ってるように見えたのも、照れ隠しだったようで、途中からは笑って話してくれた。
これまで乗せてくれた人の話や、仕事の話などをした。

西宮名塩SAで降ろしてもらい、お礼を言って握手する。
さすがの相撲部屋出身。手がデッカくて分厚い。

時間は深夜2時を回っている。
流石にこの時間から拾うのは無理だろう。
3時間もすれば明るくなる。

中に入りiPhoneを充電しつつ、椅子で仮眠。
夜が開けるのを待つことにした。

四国ヒッチハイク日記7日目。いろいろ迷って足柄を目指すことに。に続く。

ヒッチハイクマニュアル

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitterでgappackerをフォローしよう!

 この記事のタイトルとURLをコピーする