四国ヒッチハイク日記5日目。フェリーで淡路島へ渡り、四国上陸。

2012年5月15日
2016年3月30日
gappacker
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四国ヒッチハイク日記4日目。大阪から四国入りを目指すも明石SAで足止め。の続きです。

SAの中でウトウトしていた。
あからさまに寝てるのもどうかと思い、最初は肘をついていたが、疲れがマックスになると突っ伏して休むことにした。
テーブル席で寝てたのか寝てないのか、よくわからないまま3時間あまりを過ごした。

ふと、顔を上げると自動ドアの外が明るくなってきていた。
朝だ。よしっ、明るくなれば車も止まってもらいやすい。

そう思い眠い目をこすりながら外に出て唖然とする。
雨が降ってるじゃないか。。。

しかもそこそこしっかり降っている。
3秒程、フリーズ。

うん、自分にはどうしようもないことだ。

気を取り直してSA出口に近いほうの屋根があるところでボードを持って止まってもらえるのを待つ。
しかし、朝で車がまばらな上に、立っている場所がドライバーからわかりにくい。

かといって分かりやすい場所に移動すると雨に濡れてしまう。
濡れている他人を乗せたがる奇特な人はそうはいないだろう。

1時間ほどしてうどん屋に入り地図を見て考える。
そして淡路島に渡る方法をiPhoneで調べる。

すると、どうやら「たこフェリー」なるものが明石駅の近くから出ていて数百円で渡れるらしい。
運行停止したという情報もあるが、再開に向けて調整しているみたいな情報もあった。
住民の足であれば何らかの代替手段がある筈である。
根拠は無い。無駄足かもしれないけど、恐らくこのままここにいても状況は変わらない。
雨も少し小雨になってきている。
行くなら今だな。

うどん屋で情報を聞こうと若い男の店員に話しかけたら
「ヒッチハイク?無理無理。バスと電車でいったほうがいいよ。」

アホか。なんもわかってねーな。コイツ。
お前に無理なだけだろうがボケっ。
と思いながら必要な情報だけ抽出し、後は流す。

あーいう、自分にできないからと言って、他の人にもできない前提で話をする人が嫌いだ。
多分、これまで多くの気弱な性格の人達を諦めさせてきたのではないか。
そう思うと、仲良くなれない気がするのだ。

難しいなら難しいで、じゃあどうやってやるか?
そうは考えられないのか?

例えできなくても俺はやってはみるんだぜ。と心の中でその思考回路に中指を立てる。
これまでも、やってみたらできたってパターンは多かったように感じる。
しかもできなかった場合はもれなく、できない理由がわかる。

だから人にアドバイスする機会がある時は、できるできないは言わないようにしている。
もちろん想定できるリスクや難易度には言及する。
どんなに不可能に思えても「こうこうこういうリスクや解決しなければならない問題があって難しいとは思う」
というふうに言うようにしている。
一見、難しそうに見えても、自分が話している相手にはできるかもしれないのだ。

降り続いている小雨がさらに弱まったタイミングで一応傘をさしながら従業員用の出入り口からした道に降りる。
目指すは明石駅。

歩き出したのも束の間、風が強くて折りたたみ傘がすぐひっくり返ってしまう。
開き直って傘はささずにフードを被ることにした。
ジャケットとシューズはGore-Texだし、ザックカバーもかけてある。
ジーンズのみ濡れる可能性はあるけれどこれくらいの雨ならしめる程度だろう。

背後から車の気配を感じる度に、もはや形状記憶に近い拳を右手ごとあげる。
車が続くと右腕はあげっぱなしになるので、実はこれも結構キツい。

運が良ければ拾ってもらえるだろうし、歩いたとしても10km程度。
バックパック背負っててもギリギリ歩ける。

歩く。

歩く。

ひたすら歩く。

車は止まってくれないまま、結局明石駅へ、とりあえず駅に入ってインフォメーションで聞いてみる。
僕「たこフェリーってどこで乗れるんですか?」
info「たこフェリー止まってるんですよ。」
僕「えっ、(やっぱり?)他にフェリーとかないんですか?」
info「フェリーはあるんですけど車両は乗せられないんですよね。」
僕「全然問題ないっす。」

地図で教えてもらい歩くこと3分。

あった。

これで淡路島上陸できるな。
450円のチケットを買い、ICEBOXを食べながら船を待ち、乗船。
15分程のフェリーの中では、疲れから気を失っていて、気がついたらみんな降りているところで慌てて降りる。

淡路島上陸!!

とはいってもまだ四国じゃない。
とりあえず淡路SAまで歩かねーと。
2kmもないのでそんなに大したことないだろう。
そう思って外に出るとさっきより風強いし、意外と登りしんどい。
さっき歩いた疲れも思いのほか蓄積してる。

頑張れ俺!!
何これ?苦行やないか!

しかもSAかと思って辿り着いた場所はなんか違う建物。
これ、サイン計画わかりづらくないか?
そう思ったけど徒歩でSAに来る人はほとんど想定してないのかもしれない。

というわけでちょっと寄り道しつつ淡路SAへ。

おっ、観覧車あるし、景色いいじゃんココ。
晴れてたら最高に気持ち良さそうね。
ひょっとすると免許とって最初にくるデートスポット的なやつなんじゃなかろうか。

スタバを見つけると同時に小休憩すること決定。さすがに疲れた。
しかし、ここでまさかのCoffee Meeting 設定。
「ほとんどエバンジェリスト」認定を受けた自分としては遠征コーヒーミーティングをやりたかったのだ。

「ヒッチハイクで来てるので車拾えるまではここにいます。お茶しましょう。もしくは鳴門まで乗っけてってください。」みたいな。(笑)
で、スタバ内でデカデカと「鳴門」とマッキーで書いてしばしの休憩。

CoffeeMeetingのほうはダメ元なので、気にせずにヒッチハイク再開。
暫くすると1台の車が消極的な距離感で徐行して寄って来る。
真意を確認するために表情を見るがなんか曖昧。
警戒されないノーガード面で近寄ると窓を開けてくれたので「鳴門行きますか?」と聞くと
「乗るか?」
「はい、お願いします。」

ということでワリとすんなり車を拾えて淡路島を縦断。
こちらは親の歳ほどの夫婦で旦那様は左官職人。
最近は日本の住宅において左官の出番が減っていて仕事がないとボヤいてました。

世間話をしながら鳴門海峡大橋を渡り、ついに四国に上陸!
実はどのタイミングで四国入りだったのかよくわからなかった。。(^^;

高速を降りて、県道沿いのコンビニで降ろしてもらう。

ここで目星をつけていたゲストハウスに電話する。
日が暮れるまでは時間がある、ここからならどうやってもゲストハウスまでは辿り着けるだろう。
空いてなければ別の宿を探すまで。
宿も空いていた。いつのまにか雨も止んでいる。
しかも1本道を西に移動するだけなので難易度は低い。

完全に流れを取り戻した。
不思議と疲れが取れる。

この日最後のヒッチハイク開始。
わりとすぐに止まってくれる。

住宅の設計をやっている方で、しばらくは大阪で働いていたものの、地元に戻りお仕事をされているとか。
ゲストハウスの近くの霊山寺前で降ろしてもらいました。
短い時間でしたが、感じのよい方で良かった。

霊山寺はお遍路さんのスタート地点のお寺のため、これからお遍路さんを始める人をチラホラ見かけます。
ご存知、全身真っ白のあの格好の人達ですね。

あれ、爺さん婆さんがメインだからいいけど。
体育界系の男子が全員あの格好だったら相当不気味だろうなぁ。
いや、むしろ全員オタクとかのほうが怖いか。

そんなこと考えながら霊山寺から徒歩30秒のゲストハウスへ向かう。
なんてことはない普通の平屋の民家。

管理人の方にひととおり説明を受けた後、バイクで滋賀からきた方と近くのドイツ館を観に行くことに。

この施設、全くノーマークだったけども思いのほか面白かった。
第一次大戦後、この地区には板東俘虜収容所という施設があり、ドイツ人を収容していたのですが、捕虜に対する公正で人道的かつ寛大で友好的な処置を行ったとして知られている場所なのです。
その結果、模範的な収容所というなんだかよくわからない評価のされ方をした場所らしいのですが、当時の資料を見ていると、かなり自由だったことがうかがえます。

パンを作ったり、小冊子を作ったり、海に行ったり、楽団作って演奏したり、なんだか学生が留学しているくらいのノリなのです。
その自由な環境の中で現地の日本人との交流などもあったようで、ドイツの技術をいかして橋を作ったり、所長にマグカップが贈られていたりと友好モード満載です。
第2次大戦時、人を丸太と呼んで人体実験を行っていたとされる731部隊とかとは対極にありますね。
この違いはどこからくるのでしょうか。
やはりトップの人間性にあるのでしょうか?

ということで珍しく戦時中のいいエピソードを知ったあとで近くの大麻比古神社へ。
ここは麻のマークをあしらった阿波の国の一ノ宮で樹齢1000年とされる楠があったりする立派な神社です。

ここの存在についてはすっかり忘れていたのだけど、徳島入りした際に過去の引き出しが開き、記憶が蘇ってきました。
2008年に中米を旅したときにメキシコのサンクリストバル・デ・ラス・カサスという町にあるカサカサという日本人宿であった人が徳島出身の人で、「徳島の人は徳島を大麻の聖地だと思ってる。」そう冗談とも本気ともとれる話をしていたのを思い出したからです。
で、確かに麻自体を神社のマークにしているし、背後にある山自体が大麻山という名前。
しかもその神社が一ノ宮という旧国 (阿波) を代表する立派な神社ときたもんだ。

確かに聖地と言えなくもない。

大きな鳥居を抜けてアプローチが続く。

樹齢千年とされる楠も立派です。

ここの神社、雨上がりのの夕方ということもあり、人が全然いなくて心地良かったです。
別に変なものは吸っていませんよ。(念のため)

散々歩きまわった後で、お腹が減ったのでなんか喰いにいこうとしたら、近くにお店がない。
少し歩いたローソンで聞くも夕方以降は開いてないとか。

結局ローソンでいろいろ買い込みゲストハウスへ戻る。
飯を食いながら少し会話をすると限界。

そして泥のように眠る。

四国ヒッチハイク日記6日目。大麻比古神社から金比羅山へ。につづく。

ヒッチハイクマニュアル

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