[映画] 芸術家であり活動家『アイ・ウェイウェイは謝らない』

2014年9月17日
2017年5月16日
gappacker
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ai-weiwei
photo by Joe Loong

芸術家でもあり活動家でもあるアイ・ウェイウェイに迫る作品

北京オリンピックの鳥の巣で一躍有名になった芸術家アイ・ウェイウェイ。
この映画は彼に密着したドキュメンタリーで、彼の人となりがわかるとともに、表現の自由のための戦いと、中国の問題点が垣間見える作品。

予告編

観た感想

アイ・ウェイウェイの大胆な行動と物言いが中国政府にマークされていることは知っていたのだけど、彼の人間性や、過ごして来た環境などについては全く知らなかったのでとても興味深い作品だった。

アイ・ウェイウェイの父親は著名な詩人で、文化大革命によって糾弾されたことを幼き日のアイ・ウェイウェイは実際に目の当たりにしていて、それがアイ・ウェイウェイに影響を与えているのだと彼の弟は証言する。

毛沢東による中国の歴史における史上最低最悪の政策である文革を、いまだに否定できないところに中国が民主主義や人権といった面で後進国であることを如実に証明しているのだが、アイ・ウェイウェイはそんな祖国に対し中指を突きつけ、発信することを止めない。

ブログが政府によって閉鎖されれば、Twitterでグレートファイヤーウール(中国共産党にとって都合の悪い情報にアクセスできないようにフィルタリングするインターネット検閲)をすり抜け、世界に向けて発信する。

暴行を受ければ裁判所に訴えるところをすべて映像に残す。
中国政府がもっとも見せたくない部分をほじくりかえそうとする異分子がアイ・ウェイウェイなのだ。

それは彼が何も恐れていないからではなく、自らが声をあげないことで、祖国がもっと酷い状況に陥ることに対する憂いからくるものなのだ。

そんなアイ・ウェイウェイの身を案ずる声も小さくない。
しかし、国外のみならず、国内でも支持者が増えていることに中国の希望があるように思える。

彼の身を案ずるとともに、彼の伝播力によって、少しでも中国が民主的で人権を尊ぶ国家になって欲しいと願うばかりである。

ユーモアと知性と反骨精神を兼ね備えた男を目撃してみてはいかがだろうか?

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